映画 #1342『関心領域』

 

『関心領域』(2023年・アメリカ、イギリス、ポーランド)

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原題:The Zone of Interest

監督:ジョナサン・グレイザー

出演:クリスティアン・フリーデル
   ザンドラ・ヒュラー
   ラルフ・ハーフォース
   ダニエル・ホルツバーグ
   サッシャ・マーズ
   フレイア・クロイツカム
   イモゲン・コッゲ  ほか

上映時間:1時間45分

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【あらすじ】

空は青く、誰もが笑顔で、子供たちの楽しげな声が聴こえてくる。そして、窓から見える壁の向こうでは大きな建物から黒い煙があがっている。時は1945年、アウシュビッツ強制収容所の所長ルドルフ・ヘスとその妻ヘドウィグら家族は、収容所の隣で幸せに暮らしていた。どこにでもある穏やかな日常。しかし、壁ひとつ隔てた収容所の存在が、音、建物からあがる煙、家族の交わす何気ない会話や視線、そして気配から着実に伝わってくる。壁を隔てたふたつの世界にどんな違いがあるのか……?

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『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』のジョナサン・グレイザー監督がイギリスの作家マーティン・エイミスの小説を原案に手がけた作品で、2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門でグランプリ、第96回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞。ホロコーストや強制労働によりユダヤ人を中心に多くの人々を死に至らしめたアウシュビッツ強制収容所の隣で平和な生活を送る一家の日々の営みを描く。タイトルの「The Zone of Interest(関心領域)」とは、第2次世界大戦中、ナチス親衛隊がポーランドオシフィエンチム郊外にあるアウシュビッツ強制収容所群を取り囲む40平方キロメートルの地域を表現するために使った言葉で、映画の中では強制収容所と壁一枚隔てた屋敷に住む収容所の所長とその家族の暮らしを描いていく。

 

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カンヌ国際映画祭ではパルムドールに次ぐグランプリに輝き、第96回アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞、音響賞の5部門にノミネートされ、国際長編映画賞と音響賞の2部門を受賞した。出演は『白いリボン』『ヒトラー暗殺、13分の誤算』のクリスティアン・フリーデル、主演作『落下の解剖学』が本作と同じ年のカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞したサンドラ・ヒュラー。製作は、昨年度のアカデミー賞で作品賞ほか最多7部門を受賞した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』や、本年度のゴールデングローブ賞でも本作ほか4作品がノミネートされ近年の賞レースを席巻している映画スタジオ・A24。

 

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スクリーンに映し出されるのは、どこにでもある穏やかな日常。しかし、壁ひとつ隔てたアウシュビッツ強制収容所の存在が、音、建物からあがる煙、家族の交わすなにげない会話や視線、そして気配から着実に伝わってくる。その時に観客が感じるのは恐怖か、不安か、それとも無関心か? 壁を隔てたふたつの世界にどんな違いがあるのか? 平和に暮らす家族と彼らにはどんな違いがあるのか? そして、あなたと彼らの違いは…?

 

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ジャンル:ドラマ

個人的満足度:☆☆☆☆☆