『レクイエム・フォー・ドリーム』(2000年・アメリカ)
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原題:Requiem for a Dream
監督:ダーレン・アロノフスキー
出演:ジャレッド・レト
エレン・バースティン
ジェニファー・コネリー
マーロン・ウェイアンズ
クリストファー・マクドナルド
マーク・マーゴリス
ルイーズ・ラサー
マーシャ・ジーン・カーツ
ショーン・ガレット
キース・デイヴィッド
ディラン・ベイカー
アジェイ・ナイデュ
ベン・シェンクマン
ヒューバート・セルビー・Jr.
ダーレン・アロノフスキー
上映時間:1時間42分
【あらすじ】
コニー・アイランドの寂れた海岸。古びた煉瓦アパートに暮らす、孤独な未亡人サラ・ゴールドファーブと1人息子ハリー。心優しいハリーだが、定職にもつかず、いつも恋人や友達の家に入り浸りブラブラしている。家に閉じこもってチョコレートを頬張りながらTVを観るのが何よりも好きな母のもとに、ある日、1本の電話がかかってくる。それは、ごひいきのテレビ番組への出演依頼だった! 夢中になったサラは、ハリーの卒業式に家族3人で写した写真を見る。そこには、息子と共に赤いワンピースを着た若き日の綺麗な自分がいた…。母は、晴れのTV出演の為にもう1度赤いドレスを着ようとダイエットを決意する。
一方、ハリーと彼の新しい恋人マリオンは、孤独と苦悩の日々が相手によって救われることを期待しつつ、少しずつ互いの心を開き始めていた。2人の愛は、現実世界からイヤなことをシャットアウトした人工的な逃げ場として燃え上がり、マリオンの家の床で静かに横たわりながら将来の幸福という大きな夢を語ることに費やされる。そんな2人に友人タイロンが耳よりな話を持ってくる。麻薬の売人をやり、荒稼ぎをしようというのだ……。
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普通の生活をしていた人々が、ドラッグにより破滅してゆく様を描いた衝撃作。原作は、脚本も手がけたヒューバート・セルビー・Jr.の小説「夢へのレクイエム」(Requiem for a Dream)。エレン・バースティンがインディペンデント・スピリット賞主演女優賞受賞、アカデミー主演女優賞にノミネート、ジェニファー・コネリーがインディペンデント・スピリット賞助演女優賞にノミネートされた。また、2009年にイギリスの映画雑誌「エンパイア」が発表した「落ち込む映画」ランキングで第1位に選ばれた。
デビュー作『π』で多くの観客を驚かせたダーレン・アロノフスキー監督が、本作では薬物が登場人物陣に与える影響を、短い映像の挿入・反復など凝った演出を駆使してエキセントリックに描写。前作に続いて問題作に仕立てた。TV番組に出演するため、ダイエット薬を飲むうちに、その薬の中毒になった主婦。そして彼女の息子と恋人も、お金を得るために麻薬売買に走り、自らの体もドラッグに蝕まれていく…。ドラッグ映画は数多く存在するが、これほど生々しくドラッグと人間の関係を描いた映画はないだろう。ストーリーはシンプルだが、その描き方は斬新。ドラッグが体内に注入されていく映像は、見ているだけでも中毒になった錯覚に陥り、頭痛がしてくるほどだ。
ジャンル:スリラー
個人的満足度:☆☆☆☆☆