『ディクテーター 身元不明でニューヨーク』(2012年・アメリカ)
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原題:The Dictator
監督:ラリー・チャールズ
出演:サシャ・バロン・コーエン
アンナ・ファリス
ベン・キングズレー
ジェイソン・マンツォーカス
ボビー・リー
クリス・パーネル
ジェシカ・セント・クレア
フレッド・アーミセン
アーシフ・マンドヴィ
ミーガン・フォックス
ジョン・C・ライリー
エドワード・ノートン
上映時間:1時間23分
【あらすじ】
北アフリカのワディヤ共和国を独裁するアラジーン将軍は、気に入らない者はすぐ処刑し、横暴の限りを尽くしていた。そんな彼が推し進めていた核開発に西欧諸国からイチャモンが入り、アラジーンは国連総会で弁明するためニューヨークに向かう。しかし、共和国の民主化を図る何者かの陰謀によって拉致され、影武者とすり替えられてしまう。トレードマークのヒゲと軍服を奪われたアラジーンは、身元証明の手段もなく街を放浪するが……。
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『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』『ブルーノ』のサシャ・バロン・コーエンが、今度は世界一危険な独裁者アラジーンに扮する。ニューヨークで身元不明人になってしまったアラジーンが巻き起こす騒動を描いたコメディ。監督は『ボラット』『ブルーノ』に続きラリー・チャールズが務める。
劇映画とドキュメンタリーの境界線が曖昧な問題作を連発し大反響を呼ぶ一方、『ヒューゴの不思議な発明』『レ・ミゼラブル』(2012年)に出演し、ハリウッドの風雲児となったサシャ・バロン・コーエン。実在する様々な独裁者を彷彿とさせる将軍に扮した彼が、ニューヨークでの生活に戸惑う姿をユーモアたっぷりに演じる。
今作ではフィクショナルな作風に転じているが、『チャップリンの独裁者』など歴代の名作にリスペクトしつつ、笑いと下ネタの中に文化・人種・性別の違いから生じる偏見に対しての社会批評性も健在という新境地へ。より幅広い観客層を楽しませる。
ジャンル:コメディ
個人的満足度:☆☆☆☆☆