『シーズ・ガッタ・ハヴ・イット』(1985年・アメリカ)
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原題:She's Gotta Have It
監督:スパイク・リー
出演:トレイシー・カミラ・ジョーンズ
トミー・レッドモンド・ヒックス
ジョン・カナダ・テレル
スパイク・リー
ジョイ・リー
S・エパサ・マーカーソン
ビル・リー ほか
上映時間:1時間26分
【あらすじ】
束縛を嫌い、自由を望んでいる黒人女性ノーラには3人の恋人がいた。エゴイストだが、彼女のことを理解してくれているジェイミー、失業中ながらも陽気なマーズ、常にエクササイズに精を出しているモデルのグリアー。さらに、ノーラをレズビアンの道に誘おうとしているオパルも絡み、彼らの間にはトラブルが生じていた。ノーラは感謝祭のディナーに3人の男たちを招待するが……。
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ブルックリンを舞台に、それぞれ性格の違う3人の男と関係を持ちながら1人の女としての自由を追求する主人公の姿を描いたロマンス・コメディ。製作はシェルトン・J・リー、監督・脚本・編集はスパイク・リー、撮影はアーネスト・ディッカーソン、音楽はビル・リー、美術はロン・ベイリーが担当。出演はトレイシー・カミラ・ジョーンズ、トミー・レッドモンド・ヒックスほか。
ニューヨーク・インディーズ映画の雄であり、ブラック・ムービーの旗手である天才的映画監督スパイク・リーによる長編デビュー作。監督第一作『ジョーズ・バーバー・ショップ』で評論家から絶賛を博した彼が、弱冠28歳の時にわずか17万5000ドルという低予算ながらも卓越したアイデアで撮り上げた作品。画面は白黒、キャストは全て黒人で描かれたこの初期の作品でも、ハイテンポなカッティングやイキなセリフ、センスのいい音楽など、この後の彼の才能が昇華してゆく片鱗が見て取れる。彼の才気と独特のユーモアが溢れる、初期の傑作の1本だ。
ジャンル:ロマンス
個人的満足度:☆☆☆☆☆