『イリュージョニスト』(2010年・イギリス、フランス)
*****
原題:L'Illusionniste
英題:The Illusionist
監督:シルヴァン・ショメ
出演:ジャン=クロード・ドンダ
エルダ・ランキン ほか
上映時間:1時間20分
【あらすじ】
ロックやTVが世界を席巻し、時代が激変しつつある1950年代のパリ。時代遅れのマジックを披露する老手品師タチシェフは、かつての人気をすっかり失い、場末のバーでドサまわりの日々。ある日スコットランドの離島に流れ着いた彼は、やっと電気が開通したばかりの片田舎のバーで、貧しい少女アリスと出会う。手品師のことを何でも願いを叶えてくれる"魔法使い"と信じ、島を離れるタチシェフを追うアリス。そして、彼女に生き別れた娘の面影を探すタチシェフ。やがて2人は言葉が通じないながらも、エジンバラの片隅で一緒に暮らし始めるが……。
*****
1950年代、パリ、そしてエジンバラ―
客を失った老手品師が出会ったのは、彼の"魔法"を信じるひとりの少女だった。手品師は、彼女に生き別れた娘の面影を探した。
『ぼくの伯父さん』をはじめ、生涯にわずか6作品を監督し、今なお世界中で愛され続けているフランスの喜劇王ジャック・タチ。彼は、「FILM TATI No.4」という娘に捧げた1本の脚本を遺していた。半世紀にわたりフランス国立映画センターで眠り続けていたこの幻の脚本に息吹を与えたのは、長編デビュー作『ベルヴィル・ランデブー』で一躍脚光を浴びたシルヴァン・ショメ監督。本国フランスで100万人以上を動員する大ヒットを記録し、世界33カ国以上で公開され、各国の映画賞を総なめにした前作に続き彼が挑んだのは、前作とは正反対の、シンプルにして、しかし豊潤な、ひとりの時代遅れの手品師の美しい物語。タチのエスプリ、そしてショメが創造したノスタルジックで美しい映像世界が見事融合し、永遠に心に刻まれる物語がここに誕生した。
ジャンル:アニメ
個人的満足度:☆☆☆☆☆