『トム・ホーン』(1980年・アメリカ)
*****
原題:Tom Horn
監督:ウィリアム・ウィアード
出演:スティーヴ・マックィーン
リンダ・エヴァンス
リチャード・ファーンズワース
ビリー・グリーン・ブッシュ
スリム・ピケンズ
ペーター・キャノン ほか
上映時間:1時間38分
【あらすじ】
19世紀後半、騎兵隊の斥候として参戦したアパッチ戦争では、敵の首長ジェロニモを捕虜にする功績を上げ、その後も探偵や賞金稼ぎとして活躍した名うてのガンマン、トム・ホーン。1901年、ワイオミングに移り住んだ彼は、牛泥棒たちに悩まされていた同地の牧場主たちから請願されて用心棒となり、次々と悪党たちを退治。しかし、町の有力者たちは、トムの荒っぽい手法に眉をひそめ、次第に彼を疫病神とみなすようになる……。
*****
ハリウッドの伝説的スター、スティーヴ・マックィーンが、製作総指揮も兼ねて、アメリカの西部開拓時代に実在したガンマンを好演。この年50歳でこの世を去った彼の生涯最後の西部劇。
『大脱走』『ブリット』ほか、数々の話題作に出演して絶大な人気を誇ったハリウッド屈指のアクションスター、スティーヴ・マックィーン。そんな彼が本作では、アメリカの西部開拓時代に騎兵隊の斥候や賞金稼ぎなどで活躍して名声を馳せたものの、19世紀から20世紀へと移り変わる中、時代の流れに取り残されて悲劇的な最期を遂げた実在のガンマンを、しみじみと渋く好演。本作が劇場公開された1980年の11月、がんにより惜しくも50歳で急逝した彼の、最後から2番目の映画出演作となった(遺作は『ハンター』)。
ホーンの老いとマックィーンのそれが重なり合い、一種悲壮な色調を帯び、枯れた味わいの余韻を残した。
ジャンル:伝記
個人的満足度:☆★★★★