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原題:This Is Spinal Tap
監督:ロブ・ライナー
出演:クリストファー・ゲスト
マイケル・マッキーン
ハリー・シーラー
ロブ・ライナー
トニー・ヘンドラ
リック・パーネル
デヴィッド・カフィネッティ
ジューン・チャドウィック
ブルーノ・カービー
エド・ベグリー・ジュニア
ダニー・コーチマー
フラン・ドレシャー
パトリック・マクニー
ジュリー・ペイン
サンディー・ヘルバーグ
ゼイン・バズビー
ビリー・クリスタル
ポール・ベネディクト
ハワード・ヘスマン
ポール・ショーティノ
ララ・コーディ
アンドリュー・J・レデラー
ラス・カンケル
ヴィクトリー・ティッシュラー=ブルー
ジョイス・ハイザー
グロリア・ギフォード
ポール・シェーファー
アーチ―・ハーン
チャールズ・レビン
アンジェリカ・ヒューストン
ドナルド・ケンドリック
フレッド・ウィラード
ウォンダーフル・スミス
ロベルト・バウアー
上映時間:1時間22分
【あらすじ】
「スパイナル・タップ」は60年代にデビューし、かつて一世を風靡したイギリスの人気ロックバンド。ビートルズ・スタイル、フラワーチルドレン、…時代とともに音楽性も変化させてきた彼ら。そして時は80年代、最先端であるハードロック・スタイルを武器に現在に至っている。そんななか、アルバム「Smell the Glove」のリリースが決定、大々的な全米ツアーを行うことになった!
彼らの大ファンである映画監督マーティ・ディ・ベルギーは、ツアーに密着を決意。映し出されるのは、結成秘話からメンバーたちの苦悩、歴代ドラマーの怪死、トラブルから感動のステージまで、次々と明かされるファン必見のエピソードの数々。伝説のロック・ドキュメンタリー『スパイナル・タップ』が、ここに誕生する――!!
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架空のヘヴィメタルバンド「スパイナル・タップ」(「イギリスで最も騒がしいバンドの1つ」と特徴づけられている)の全米ツアーの模様を、実在するアーティストのパロディやロックバンドのあるあるネタ満載で描き、現在もカルト的人気を集める《ロック・モキュメンタリー》。『スタンド・バイ・ミー』などの名匠ロブ・ライナーの監督デビュー作としても知られる。クリストファー・ゲスト、マイケル・マッキーン、ハリー・シーラーがスパイナル・タップのメンバー役を演じ、ライナー自身もドキュメンタリー作家役で出演した。
この映画は、ハードロックやヘヴィメタルバンドのワイルドな言動や音楽的欲求、ラトルズの『オール・ユー・ニード・イズ・キャッシュ』と同様に『ギミー・シェルター』(1970年、ローリング・ストーンズ)、『レッド・ツェッペリン狂熱のライヴ』(1976年、レッド・ツェッペリン)、『ラスト・ワルツ』(1978年、ザ・バンド)などその時代のロックドキュメンタリーの聖人伝的な傾向を風刺している。劇中の台詞のほとんどは即興であり、何十時間も撮影が行われた。
大まかなバンドのイメージはレッド・ツェッペリン、ジューダス・プリースト、エアロスミスあたりから取られているものと思われる。劇中登場する、『スメル・ザ・グローブ』の「ノーン・モア・ブラックアルバム(黒以外なにもないアルバム)」はレッド・ツェッペリンの『フォー・シンボルス』、AC/DCの『バック・イン・ブラック』のパロディ。ちなみにサウンドトラックも劇中使用された字の一切入っていない真っ黒なカバー。
初代ドラマーの死因「園芸中の奇妙な事故」はキース・ムーン、2代目の「他人の吐瀉物が咽に詰まって死亡」はジョン・ボーナムのパロディで、それ以降は完全なおふざけ。ちなみに、アルバム『Break Like the Wind』は英語圏のスラング「Break the wind(=屁をこく)」を捩ったもの。
2002年、アメリカ議会図書館によって「文化的、歴史的、審美的に重要」とみなされ、アメリカ国立フィルム登録簿に登録された。
ジャンル:コメディ
個人的満足度:☆☆☆☆☆