映画 #411『荒野の七人』

 

『荒野の七人』(1960年・アメリカ)

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原題:The Magnificent Seven

監督:ジョン・スタージェス

出演:ユル・ブリンナー
   スティーヴ・マックィーン
   ホルスト・ブッフホルツ
   チャールズ・ブロンソン
   ロバート・ヴォーン
   ブラッド・デクスター
   ジェームズ・コバーン
   イーライ・ウォラック
   ロゼンダ・モンテロス
   ジョン・アロンゾ
   ウラディーミル・ソコロフ
   ホルヘ・マルティネス・デ・オヨス
   リコ・アラニ
   ペペ・ハーン
   ナチヴィダト・ヴァシオ
   マリオ・ナヴァロ
   ロバート・J・ウィルク
   ヴァル・エイヴリー
   ウィット・ビセル

上映時間:2時間8分

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【あらすじ】

メキシコの寒村イストラカン。村の農民たちは、毎年カルヴェラ率いる盗賊一味に収穫物を貢ぎ物として強要され、生活苦にあえいでいた。いよいよ窮地に迫られた農民たちは、少ない金で銃を手に入れて抵抗することを決意、町へ繰り出す。するとその時、鮮やかに敵を一蹴する凄腕のガンマン、クリスとヴィンに目が留まるのだった。農民たちは即座に村の防衛と盗賊の撃退を懇願。報酬は僅かながら、農民たちの熱意に心を打たれたクリスはその願いを引き受け、仲間を集める……。

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黒澤明監督の日本映画『七人の侍』(1954年)の舞台を西部開拓時代のメキシコに移して描いたリメイク映画で、西部劇の金字塔的作品である。第33回アカデミー賞のドラマ・コメディ映画音楽賞にノミネートされた本作は、後に第二作『続・荒野の七人』(1966年)、第三作『新・荒野の七人 馬上の決闘』(1969年)、第四作『荒野の七人・真昼の決闘』(1972年)などの続編が制作された。また、2016年には本作のリメイクとなる『マグニフィセント・セブン』が公開された。

 

7人のリーダーとなるクリス役に『王様と私』のユル・ブリンナースティーヴ・マックィーンチャールズ・ブロンソンは本作の世界的ヒットにより一躍脚光を浴びた。監督は『大脱走』のジョン・スタージェス

 

エルマー・バーンスタインの勇壮なテーマ曲は、映画音楽史に残る名曲。豪華キャストで贈る、西部劇史上に燦然と輝く不朽の名作を彩っている。

 

 

クリス・アダムス(演:ユル・ブリンナー

7人のリーダー格で、『七人の侍』の勘兵衛に相当するキャラクター。冷静沈着な性格で、盗賊団と戦うための戦術から、他のガンマンや村人達のまとめ役となり、チームワークを乱す者に対しては決して容赦しない厳格さも見せる。黒ずくめの衣装やファニング撃ちなど、それまでの西部劇では悪役が行っていたような衣装や攻撃方法が特徴。

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ヴィン(演:スティーヴ・マックィーン

7人のサブリーダー格で、五郎兵衛七郎次に相当するキャラクター。女に関心をよせる描写は"菊千代"の要素も含まれている。厳格で真面目なクリスに比べて軽妙洒脱なところがあり、しばしば冗談を言って場を和ませる。しかし、自分達のようなガンマンがもはや時代遅れである事を自覚しており、雑貨屋の店員などの手堅い職と安定した生活を望むなど、根はとても真面目な人格者。早撃ちの達人。

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チコ(演:ホルスト・ブッフホルツ)

7人の最年少メンバーで、勝四郎菊千代に相当するキャラクター。クリスのガンマン募集で一度は却下されるが、あきらめずについて行き仲間となる。ひたむきで純粋である反面若さ故感情的になりやすいところがある。実は農民の出で、彼らが真っ先に戦いの犠牲になっている事を身に知っているため、自分が憧れているガンマン、ひいては仲間達にもわだかまりを抱いている。

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ベルナルド・オライリー(演:チャールズ・ブロンソン

平八に相当するキャラクター。その出自に対するコンプレックスと子どもたちとの関係性は"菊千代"の要素も含まれている。メキシコ人とアイルランド人の混血。それ故に自分の「ベルナルド」という名前を嫌っている。薪割りの下働きをしていたところを、ハリーから聞いたクリスにスカウトされる。腕利きだが、特に愛想が良い訳ではない。しかし素朴で屈託の無く温かい人柄から、村の子供達に慕われる。

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リー(演:ロバート・ヴォーン

相当する役柄の無いオリジナルキャラクター。凄腕の賞金稼ぎでクールな皮肉屋。標的を仕留めた結果として追われる身となり、潜伏していたところをクリスに声をかけられ同行を決意する。しかし、銃の腕前の衰えから自信を失い始め、自分が倒した敵の亡霊に怯える日々を送っており、守るべき対象である村人から逆に優しく励まされる事もあった。村を追われたときはクリスから誰にも借りがないからと離脱を許可されるも、「(借りは)自分にある」と死地を求めて村へ戻る。

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ハリー・ラック(演:ブラッド・デクスター)

原作に相当する役柄の無いオリジナルキャラクター(クリスの旧友という点では、一部だけ七郎次に該当する。また、7人のメンバーではないが、恩賞に執着する点では前半に宿場で勘兵衛の浪人集めの試験に合格するが百姓の頼みと聞いて参加を断る剣客(=演・山形勲)もモデルにしていると思われる)。山師でもあり、クリスが村の護衛を引き受けたのは「村の護衛に20ドルというのは建て前で、実は物凄い報酬がある」と思い込んで一行に加わった。7人の中で一番現実的かつ、ドライな性格。

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ブリット(演:ジェームズ・コバーン

久蔵に相当するキャラクターで、7人の中で最もオリジナルの役柄に忠実。ナイフ投げの達人で、寡黙かつ求道的な孤高の男。カウボーイと決闘を繰り広げた際にクリスと再会し、一度は誘いを断るも夜には宿に訪れて一行に加わった。セリフは非常に少ないが、含蓄のある言葉や行動でチコから慕われる。

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ジャンル:西部劇

個人的満足度:☆☆☆★★