『ポセイドン・アドベンチャー』(1972年・アメリカ)
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原題:The Poseidon Adventure
監督:ロナルド・ニーム
出演:ジーン・ハックマン
アーネスト・ボーグナイン
レッド・バトンズ
キャロル・リンレイ
ロディ・マクドウォール
ステラ・スティーヴンス
シェリー・ウィンタース
ジャック・アルバートソン
パメラ・スー・マーティン
アーサー・オコンネル
エリック・シーア
フレッド・サドフ
シーラ・マシューズ
ジャン・アーヴァン
レスリー・ニールセン
上映時間:1時間57分
【あらすじ】
大晦日の夜、年越しパーティーでにぎわう豪華客船ポセイドン号だが、海底地震を原因とする津波に襲われる。同船は瞬く間に転覆し、船内は完全に天地が逆になってしまう。辛うじて生き延びたスコット牧師やロゴ刑事は脱出のチャンスを求め、海面に近い場所に向かうべきだと主張するが、危険を恐れる人々の多くは救助を待ってその場に留まることを選ぶ。牧師たちは少数の生存者を連れ、船の最も高い場所=船底を目指すのだが……。
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1970年代にパニック映画ブームを起こしたヒット超大作。転覆した客船ポセイドン号で生存者たちは天地が逆になった船内をさまよう。第45回アカデミー賞で2部門受賞。
1969年に出版されたポール・ギャリコの同名小説をもとに、ロナルド・ニームが監督、アーウィン・アレンが製作した本作には、5人のオスカー受賞者(ジーン・ハックマン、アーネスト・ボーグナイン、ジャック・アルバートソン、シェリー・ウィンタース、レッド・バトンズ)を含むアンサンブルキャストが出演している。架空の豪華客船「ポセイドン号」は、スクラップになる前にニューヨークからアテネに向けて最後の航海に出発する。大晦日の夜、ポセイドン号は津波によって転覆し、乗客や乗組員が船内に閉じ込められてしまう。様々な困難を迎える中、牧師が生存者のグループを安全に導こうとする姿が描かれる。
この作品は、『大空港』(1970年)、『大地震』(1974年)、『タワーリング・インフェルノ』(1974年)など、1970年代前半から中盤にかけてのオールスター共演パニック映画の流れを汲むものである。本作は1972年12月に公開され、全世界で1億2,500万ドル以上を稼ぎ出し、1973年の最高興行収入を記録した。また、アカデミー賞2部門、ゴールデングローブ賞、英国アカデミー賞、全米音響効果監督組合のゴールデン・リール賞を受賞した。後年、同じくギャリコの小説を原作とした続編『ポセイドン・アドベンチャー2』が1979年に公開された。
上下さかさまになった船体のセットを使った撮影はアカデミー賞特撮部門を、挿入歌としてモーリン・マクガヴァンが歌っている「モーニング・アフター」はアカデミー歌曲賞(主題歌賞)をそれぞれ受賞した。また、この作品で当時パニック映画(ディザスター・フィルム)と呼ばれるジャンルが確立して、アーウィン・アレンを中心とするスタッフが、この時の特撮技術を活かし、2年後に『タワーリング・インフェルノ』を製作した。製作費1200万ドルは船のセット、転覆場面の撮影、1135万リットルの水に大半が消費されたという。まだコンピューター・グラフィックの無い時代で全て実写であった。撮影には、実在する豪華客船のクイーン・メリー号が使用された。
同年公開の『ゴッドファーザー』とほぼ同じ興行収入を記録する大ヒット作品となった。その結果、経営難にあった20世紀フォックスを立て直す存在となった。
ジャンル:アドベンチャー
個人的満足度:☆☆☆★★