映画 #819『市民ケーン』

 

市民ケーン』(1941年・アメリカ)

*****

原題:Citizen Kane

監督:オーソン・ウェルズ

出演:オーソン・ウェルズ
   ジョゼフ・コットン
   ルース・ウォリック
   ドロシー・カミンゴア
   ジョージ・クールリス
   ウィリアム・アランド
   レイ・コリンズ
   バディー・スワン  ほか

上映時間:1時間59分

f:id:power-zero:20221210130408j:image

 

【あらすじ】

大富豪の新聞王チャールズ・フォスター・ケーンが、「バラのつぼみ」という謎の言葉を残してこの世を去った。その言葉の意味を探るよう調査を命じられたニュース映画の編集者は、ケーンの元妻や事業のパートナーら、生前の彼を知る人々に取材を重ねていく。やがて浮かび上がったのは、すべてを手に入れた男の孤独な生涯だった……。

f:id:power-zero:20221210131912j:image

 

*****

 

当時25歳の若き天才オーソン・ウェルズが製作・監督・脚本・主演を務め、映画史に残る傑作として語り継がれる人間ドラマ。実在の新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハーストをモデルに、ある大富豪の波乱に満ちた一生を、革新的な映像技法とストーリー構成で描き出す。

 

新聞王ケーンの生涯を、それを追う新聞記者を狂言回しに、彼が取材した関係者の証言を元に描き出していく。主人公のケーンハースト・コーポレーションの創業者であるアメリカの新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハーストをモデルにしていたことから、ハーストによって上映妨害運動が展開され、第14回アカデミー賞では作品賞など9部門にノミネートされながら、脚本賞のみの受賞にとどまった。しかし、パン・フォーカス、長回し、ローアングルなどの多彩な映像表現などにより、年々評価は高まり、英国映画協会が10年ごとに選出するオールタイム・ベストテン(The Sight & Sound Poll of the Greatest Films of All Time)では5回連続で第1位に選ばれ、AFI選出の「アメリカ映画ベスト100」でも第1位にランキングされている。1989年にアメリカ国立フィルム登録簿に登録された。

 

オーソン・ウェルズはこの映画を撮る際に、映写室でジョン・フォード監督の『駅馬車』を繰り返し観て映画を勉強した。また、作品のキーワードである「ローズバッド(バラのつぼみ)」は、モデルになったランドルフ・ハーストが愛人であるマリオン・デイヴィスの秘部につけた愛称であり、ハーストが本作の公開を妨害した要因の大きなひとつであったとされる。

 

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのニューヨークエリアに「インクワイヤラー新聞社事務所」の映画撮影セットがある。

 

 

ジャンル:ドラマ

個人的満足度:☆☆☆☆☆