映画 #816『シリアル・ママ』

 

シリアル・ママ』(1994年・アメリカ)

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原題:Serial Mom

監督:ジョン・ウォーターズ

出演:キャスリーン・ターナー
   サム・ウォーターストン
   リッキー・レイク
   マシュー・リラード
   トレイシー・ローズ
   ジャスティン・ホーリン
   ミンク・ストール
   メアリー・ジョー・キャトレット
   パトリシア・ハースト  ほか

上映時間:1時間34分

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【あらすじ】

ボルチモアに住む主婦ビバリー・サトフィンは、歯科医の夫と2人の子供を持つ、良き妻であり良き母親である。一家の平和を乱す者や社会のルールを守らない者に対しては、誰であっても容赦はしない。ホラー映画好きな息子を問題視した教師を轢き殺したり、娘をフッて他の子に乗り換えた男の子を火かき棒で串刺ししたり、レンタルビデオを巻き戻さないで返却する老婦人を撲殺したりするなどして、次々と「ルールを守らないヤツら」に制裁を加えてゆく……。

 

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ゴミを分別しない奴、駐車場で横入りする奴、レンタルビデオの返却時に巻き戻さない奴、そして何より愛する家族の平和を乱す奴…。そんな現代社会にあふれる理不尽な輩に怒りのお仕置きをくらわす必殺ママ。郊外の閑静な住宅街で、肉切り包丁を片手に怒涛の世直し活動を繰り広げるママは、いつしか全米マスコミの人気者と化していく…。

全米パニック、善良な主婦が連続殺人(シリアル)ママ! 奇才ジョン・ウォーターズ監督のブラック・コメディ作品!!

 

社会に溢れる理不尽な輩に怒りの鉄槌を降り下ろし、殺人を繰り返す良き家庭の平凡な主婦の姿を通して、現代人の心の中に巣食うフラストレーションと怒りと殺人衝動を鋭くえぐる悪趣味なブラックユーモアに満ちたホーム・ドラマ。ドラマは実録形式で描かれ、アメリカにおける犯罪とメディアの関係、裁判や死刑問題に対する風刺も痛烈。また、元ポルノクイーンのトレイシー・ローズや、テロリストに誘拐された末にその仲間となって銀行強盗を働き有名になった新聞王の孫娘パトリシア・ハースト、そして本人役で登場する全米TV界の人気女優スザンヌ・サマーズなど、異色キャストも話題になった。

 

英語圏において連続殺人者のことをシリアル・キラー(Serial Killer)と呼ぶ。題名の「シリアル」はこの意味で使われており、シリアル食品などの「Cereal」とは意味とスペルが違う。ただし、劇中においてチップの「Mom, are you a serial killer?」(ママはシリアル・キラーなの?)という質問に対し、 ベヴァリーは「The only "serial" I know anything about is Rice Krispies」(私が知ってるシリアルはライスクリスピーだけよ)と、とぼけて答えている。発音は英語でも同じであり、日米とも上述のジョークが通じる。

 

 

ジャンル:クライム

個人的満足度:☆☆☆☆☆