映画 #805『スポットライト 世紀のスクープ』

 

スポットライト 世紀のスクープ』(2015年・アメリカ)

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原題:Spotlight

監督:トム・マッカーシー

出演:マーク・ラファロ
   マイケル・キートン
   レイチェル・マクアダムス
   リーヴ・シュレイバー
   ジョン・スラッテリー
   ブライアン・ダーシー・ジェームズ
   ビリー・クラダップ
   スタンリー・トゥッチ
   ジェイミー・シェリダン
   モーリーン・キーラー
   ポール・ギルフォイル
   レン・キャリオー
   ニール・ハフ
   マイケル・シリル・クレイトン
   ローリー・ハイネマン
   ティム・プロゴシュ
   リチャード・ジェンキンス

上映時間:2時間8分

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【あらすじ】

2001年の夏、ボストン・グローブ紙に新しい編集局長のマーティ・バロンが着任する。マイアミからやってきたアウトサイダーのバロンは、地元出身の誰もがタブー視するカトリック教会の権威にひるまず、ある神父による性的虐待事件を詳しく掘り下げる方針を打ち出す。その担当を命じられたのは、独自の極秘調査に基づく特集記事欄《スポットライト》を手がける4人の記者たち。デスクのウォルター"ロビー"ロビンソンをリーダーとするチームは、事件の被害者や弁護士らへの地道な取材を積み重ね、大勢の神父が同様の罪を犯しているおぞましい実態と、その背後に教会の隠蔽システムが存在する疑惑を探り当てる。やがて9.11同時多発テロ発生による一時中断を余儀なくされながらも、チームは一丸となって教会の罪を暴くために闘い続けるのだった……。

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新聞記者たちがカトリック教会のスキャンダルを暴いた実話を、『扉をたたく人』のトム・マッカーシー監督が映画化した実録ドラマ。2003年にピューリッツァー賞を公益報道部門で受賞した「ボストン・グローブ」紙の報道に基づき、アメリカの新聞社の調査報道班として最も長い歴史を持つ同紙「スポットライト」チームによる、ボストンとその周辺地域で蔓延していたカトリック司祭による性的虐待事件に関する報道の顛末を描く。

 

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2002年1月、アメリカ東部の新聞「ボストン・グローブ」の一面に全米を震撼させる記事が掲載された。地元ボストンの数十人もの神父による児童への性的虐待を、カトリック教会が組織ぐるみで隠蔽してきた衝撃のスキャンダル。1,000人以上が被害を受けたとされるその許されざる罪は、なぜ長年にわたって黙殺されてきたのか。この世界中を驚かせた"世紀のスクープ"の内幕を取材に当たった新聞記者の目線で克明に描き、アカデミー賞6部門(作品賞/監督賞/助演男優賞助演女優賞脚本賞編集賞)にノミネートされ、作品賞と脚本賞を受賞するなど、名実ともに全米で絶賛を博す社会派ドラマ、それが本作である。

 

本作は、このジャンルの金字塔というべき名作『大統領の陰謀』を彷彿とさせる生粋の"ジャーナリスト映画"でもある。虐待被害者の生々しい証言に心揺さぶられたチームの皆が、元少年たちの悲痛な叫びを世に知らしめようと、寸暇を惜しんで奔走する様を力強く描出。"間違っていることは間違っている"と報じたい、"正しいことは正しい"と表明できる社会でありたい、ただその一心で、立ちはだかる権力と対峙しながらも記者魂を貫く彼らの姿は爽快ですらあり、閉塞した現代を生きる観客の共感を誘うことだろう。

 

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2015年にヴェネツィア国際映画祭コンペティション外部門で上映されたほか、テルライド映画祭やトロント国際映画祭の特別招待部門でも上映された。北米ではオープン・ロード・フィルムズの配給で2015年11月6日に公開された。日本ではロングライドの配給で2016年4月15日に公開。本作は数多くの組合賞や批評家賞を受賞したほか、様々な媒体によって2015年最良の映画の一つに挙げられている。

 

 

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ジャンル:ドラマ

個人的満足度:☆★★★★