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原題:The Squid and the Whale
監督:ノア・バームバック
出演:ジェフ・ダニエルズ
ローラ・リニー
ジェシー・アイゼンバーグ
オーウェン・クライン
ウィリアム・ボールドウィン
アンナ・パキン
ヘイリー・ファイファー
ケン・レオン ほか
上映時間:1時間21分
【あらすじ】
1986年、ブルックリン。16歳の兄ウォルトと12歳の弟フランクは、共に作家の両親と一緒に暮らしている。かつて脚光を浴びた父バーナードは長らくスランプが続き、一方の母ジョーンは新進作家として"ニューヨーカー誌"での華々しいデビューを控えていた。そんなある日、兄弟は両親から離婚すると告げられる。そしてふたりは、共同監護という形で父の家と母の家を行ったり来たりする生活を余儀なくされるのだった。やがて、フランクはストレスから学校で奇行を繰り返すようになり、ウォルトもまた学校で問題を引き起こすようになる。さらに、父バーナードが倒れ、入院する事態に陥ってしまうのだが……。
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『ライフ・アクアティック』の脚本家ノア・バームバックが、86年のニューヨーク・ブルックリンを舞台に、ある家族の崩壊を滑稽に描いた自伝的悲喜劇。両親の離婚で風変わりな生活に直面せざるをえなくなった兄弟の複雑な心情を、ユーモアを含みながら映し出す。出演は『ブラッド・ワーク』のジェフ・ダニエルズと『エミリー・ローズ』のローラ・リニー。『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』のウェス・アンダーソンが製作を務めている。
作家としての成功から遠のいてしまった父と、作家として成功した母という皮肉な元夫婦の心のすれ違いが、曜日を決めて両親のもとを往来する兄弟の心を傷つけていく。若いのにすでに人生を諦観しているように見える兄弟が悲しい。家族とは、子どもにとっての両親の存在とは…と、シリアスな問題をシニカルなユーモアのオブラートで包んで見せる人間ドラマとなっている。
ジャンル:ドラマ
個人的満足度:☆☆☆☆★