『ザ・プレイヤー』(1992年・アメリカ)
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原題:The Player
監督:ロバート・アルトマン
出演:ティム・ロビンス
グレタ・スカッキ
フレッド・ウォード
ウーピー・ゴールドバーグ
ピーター・ギャラガー
ブライオン・ジェームズ
シンシア・スティーヴンソン
ヴィンセント・ドノフリオ
ディーン・ストックウェル
リチャード・E・グラント
シドニー・ポラック
ライル・ラヴェット
ダイナ・メリル
アンジェラ・ホール
リア・エアーズ
ランドール・バティンコフ
ジェレミー・ピヴェン
ジーナ・ガーション
スーザン・エムシュウィラー
ブライアン・ブロフィ
ナタリー・ストロング
上映時間:2時間4分
【あらすじ】
大手映画スタジオの若き重役プロデューサー、グリフィン・ミルは、高級車を乗り回し、多忙な日々を送っていた。辣腕で知られるグリフィンのオフィスには、連日朝から売り込みのライターや監督たちがひっきりなしにやって来る。そんなある日、いつものようにオフィスに出勤した彼は、ある一通の手紙を目にする。その手紙には"グリフィンを殺す"と書かれていた。彼は、この脅迫状の送り主を探ってひとりの無名脚本家を突き止めるが……。
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鬼才R・アルトマン監督がハリウッドの映画業界の内幕を風刺と皮肉たっぷりに暴き出して高い評価を受け、みごと映画界の第一線に復帰したサスペンス。マイケル・トルキンの1988年の小説「The Player」を原作とし、トルキン自ら脚本を担当している。実在の映画会社名、作品名、俳優の名がセリフに取り入れられ、実在の俳優も本人役で多数出演している。第45回カンヌ国際映画祭で監督賞と男優賞(T・ロビンス)に輝き、第65回アカデミー賞では3部門にノミネートされた。
1980年代以降、ハリウッドの商業路線とは一定の距離を置き、独自にインディーズ映画やTVドラマを手掛けていたアルトマンがハリウッドに対してしっぺ返しを果たし、当時大反響を呼んだ問題作だ。
「ハリウッドでは、映画のヒットによってすべての罪が償われる」という日本公開時のコピーが、この映画のすべてを象徴している。数々の作品をハリウッドで製作してきたにも関わらずヒット作に恵まれず、スタジオとの衝突も経験したアルトマンだが、一方で彼の作品のスタイルに魅せられ、出演を希望する俳優たちは後を絶たない。アルトマンにとって本作は、エンターテインメントの要素を投入しながら、ハリウッドのスタジオ・エグゼクセティブの薄っぺらぶりを、皮肉たっぷりに描いた作品と言える。無論それがアルトマンの経験した現実なのか否かは公然と語られていないが、そういう暴露的要素が、この映画の最大のセールス・ポイントであることは否定できまい。ヒットすれば、それも許されてしまうのがハリウッドなのだ。
ジャンル:サスペンス
個人的満足度:☆☆☆☆☆