映画 #543『バートン・フィンク』

 

バートン・フィンク』(1991年・アメリカ)

*****

原題:Barton Fink

監督:ジョエル・コーエン

出演:ジョン・タトゥーロ
   ジョン・グッドマン
   ジュディ・デイヴィス
   マイケル・ラーナー
   ジョン・マホーニー
   トニー・シャルーブ
   ジョン・ポリト
   スティーヴ・ブシェミ
   ミーガン・フェイ

上映時間:1時間56分

f:id:power-zero:20220702135933j:image

 

【あらすじ】

1941年、ニューヨーク。社会派劇作家のバートン・フィンクは、その自作脚本による芝居が好評を博し、成功を収めていた。そんなある日、彼はハリウッドに実力を買われ、映画会社から新作映画のシナリオを依頼される。だが、早速ロサンゼルスに赴いたバートンに任された仕事は、大衆向けのB級レスリング映画の脚本。しかも仕事場兼宿泊先のホテルは、薄暗く不気味な雰囲気が漂っていた。やがて、執筆作業に四苦八苦するバートンの周囲で奇怪な出来事が起こり始める……。

 

*****

 

カンヌ国際映画祭でグランプリ、監督賞、主演男優賞の3冠に輝いた異色のサスペンス作品。ハリウッド映画のシナリオを書くことになった劇作家がスランプに陥り、悪夢的な体験をするさまを描く。コーエン兄弟が個性派俳優ジョン・タトゥーロを主演に迎え、不条理なサスペンス作品に仕上げている。

 

唯一無二のスタイルで世界を魅了するジョエル&イーサン・コーエン兄弟が製作し、カンヌ国際映画祭で三冠(パルムドール、監督賞、主演男優賞)制覇という快挙を成し遂げた作品。彼らのキャリアを代表する作品との呼び声も高い。

前半はハリウッド内幕ものとしての興味を働かせつつ、次第にドラマはホテルの隣室に居を構える大男チャーリー(ジョン・グッドマン)に対する主人公の不信と恐怖の念が錯綜していく。蚊の飛ぶ音、暑さ、息苦しさ--生理的な感覚とホテル内の息苦しく暑苦しい映像がそのまま主人公の生理と合致し、観る者までをも当惑の域へと追い詰めていくコーエン兄弟の独自の手腕が遺憾なく発揮されている。

 

 

ジャンル:ドラマ

個人的満足度:☆☆☆☆☆