『変態村』(2004年・フランス、ベルギー、ルクセンブルク)
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原題:Calvaire
監督:ファブリス・ドゥ・ヴェルツ
出演:ローラン・リュカ
ジャッキー・ベロワイエ
フィリップ・ナオン
ジャン=リュック・クシャール
ブリジット・ラーエ
ジジ・クルーシニー
フィリップ・グランダンリー
ジョー・プレスティア
マルク・ルフェーヴル
アルフレッド・ダヴィッド=パングアン
アラン・ドロノワ
ヴァンサン・カエイ
ジョアン・メイス=ロスト
上映時間:1時間34分
【あらすじ】
キャバレー歌手のマルクは、老人ホームでの仕事を終え南仏に向かう。だが、大雨の中道に迷い、車まで故障してしまう。そんな折、犬を探しにきたという精神障害者の青年ボリスと出会い、彼に宿まで案内してもらうと、宿の主バルテルは快く部屋を貸してくれるが……。
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本作で恐るべき新人監督としてヨーロッパを震撼させた、ファブリス・ドゥ・ヴェルツによる狂気の愛を描いた問題作。『ハリー、見知らぬ友人』のローラン・リュカが、底なしの恐怖と苦痛にもがく、しがない歌手を血まみれになりながら好演する。執拗なまでに彼に迫る初老の男役に『クレールの刺繍』のジャッキー・ベロワイエ。人里離れた村に迷い込んだ男の恐怖と、愛を渇望するあまり狂気のふちへと追いやられていく男たちの悲しい宿命に、身も心も凍りつく。
2004年・第57回カンヌ国際映画祭批評家週間正式出品。2005年・アムステルダム・ファンタスティック映画祭グランプリ受賞。同年、ジェラルメ国際ファンタスティカ映画祭審査員最優秀賞、国際批評家賞、プレミア観客賞受賞。
邦題は叶井俊太郎が本編視聴後の印象、および舞台が地図にない村にちなんで命名したもので、原題の Calvaire(ラテン語、"ゴルゴタの丘"の意)とは関連がない。村人の様子は「変態」よりも「狂人」の方が相応しく、主人公マルクに神のようなものを認めて猟奇行為に走る。マルクは原題の通り、宣伝ポスターの十字架に磔にされた姿のように村人のため犠牲になることを受け入れる。
ジャンル:スリラー
個人的満足度:☆★★★★