映画 #765『ナチョ・リブレ 覆面の神様』

 

『ナチョ・リブレ  覆面の神様』(2006年・アメリカ)

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原題:Nacho Libre

監督:ジャレッド・ヘス

出演:ジャック・ブラック
   エクトル・ヒメネス
   アナ・デ・ラ・レゲラ
   リチャード・モントーヤ
   ピーター・ストーメア
   セサール・ゴンザレス
   ダリウス・ロセ

上映時間:1時間32分

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【あらすじ】

まぶしい太陽と青い空の国メキシコ。イグナシオ(愛称"ナチョ")は幼い頃に両親を亡くし、修道院で育てられた。やがて成長し、修道院の料理番として働くようになったナチョ。そんな彼が、新しくやってきたシスターにひとめぼれをする。シスターのために食事のレベルをアップさせようと町へ買い物に繰り出した彼だが、そのとき憧れのルチャ・ドール(メキシコのプロレスラー)のリッチぶりに遭遇。それを見たナチョは、賞金がかかったアマチュア大会にルチャ・ドールとして出場し、お金を稼ごうと決意。お金持ちになって、美人シスターやかわいい子供たちにおいしい食事をさせてあげようとするが……。

 

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教会の修道院で育てられたダメ男が覆面レスラーとしてリングに上がり、修道院の孤児たちにおいしいものを食べさせてやろうと奮起する爆笑コメディ。監督は『バス男』の新鋭ジャレッド・ヘス。主人公のダメ男、ナチョを『スクール・オブ・ロック』のジャック・ブラックが演じ、同作でもコンビを組んだジャック・ブラックの盟友マイク・ホワイトらが脚本を担当。ギャグの嵐に笑いながら、最後には温かい気持ちになれる感動作。

 

ジャック・ブラックの個性が、これほど最大限に活かされたキャラもないだろう。素性を隠して子どもたちのために戦う物語だけ聞くと感動モノだが、彼の怪演や、カルト的人気作『バス男』のジャレッド・ヘス監督によるトボけた味の演出で、全編、苦笑と爆笑の連続。牛に蹴られたり、ハチの巣を突っついたりと、的外れな特訓シーンに腹を抱えてしまう。ブラックお得意の歌もドラマにぴったりで笑いを倍増。加えて強烈なのが脇役キャラで、リング上でイグナシオとパートナーを組む痩せっぽちのスティーブンや、対戦相手となる小さな猛獣のようなコンビなど、その個性は並じゃない。しかし最終的に、ただのオバカ映画になっていないのは、各俳優が体を張って演じているからだ。

笑って、笑って、最後にホロリとくる、コメディの見本のような1作。

 

ちなみに、本作は実話に基づくストーリー。伝説のルチャ・ドール"暴風神風"の物語をアレンジした映画である。

 

 

ジャンル:コメディ

個人的満足度:☆☆☆☆☆