『リリーのすべて』(2015年・イギリス、ドイツ、アメリカ)
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原題:The Danish Girl
監督:トム・フーパー
出演:エディ・レッドメイン
アリシア・ヴィキャンデル
マティアス・スーナールツ
ベン・ウィショー
アンバー・ハード
セバスチャン・コッホ
エメラルド・フェネル
エイドリアン・シラー ほか
上映時間:1時間59分
【あらすじ】
1926年、デンマーク。風景画家のアイナー・ヴェイナーは、肖像画家の妻ゲルダと共に公私とも充実した日々を送っていた。そんなある日、ゲルダに頼まれて女性モデルの代役を務めたことをきっかけに、アイナーは自身の内面に潜んでいた女性の存在に気づく。それ以来、"リリー"という名の女性として過ごす時間が増えていったアイナーは、心と身体が一致しない自分に困惑と苦悩を深めていく。一方のゲルダも、夫が夫でなくなっていく事態に戸惑うが、いつしかリリーこそがアイナーの本質なのだと理解するようになる。移住先のパリで問題解決の道を模索するふたり。やがてその前に、ひとりの婦人科医が現れる……。
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『英国王のスピーチ』でアカデミー賞を受賞したトム・フーパー監督と、『博士と彼女のセオリー』でアカデミー賞の主演男優賞を手にしたエディ・レッドメインが、『レ・ミゼラブル』に続いてタッグを組み、1930年代に世界で初めて性別適合手術を受けたデンマーク人リリー・エルベの実話を描いた伝記ドラマ。原作は、リリーを題材とした、デヴィッド・エバーショフによる小説『The Danish Girl』(2000年刊行、邦題:『世界で初めて女性に変身した男と、その妻の愛の物語』、本作の公開に合わせて『リリーのすべて』のタイトルで再出版)である。なお、本作は史実からは脚色されており、エルベが女性として暮らすようになった時期や結末等は実際とは異なる。
若手演技派のトップに君臨する俳優エディ・レッドメインとアリシア・ヴィキャンデルを迎えて贈る、世界初の性別適合手術を受けた人物リリー・エルベの勇気と愛の物語。本当の自分になりたいリリーと、夫が夫でなくなっていく事態に戸惑いながらも一番の理解者であり続けた妻・ゲルダが織りなす"究極の愛"に注目したい。
第88回アカデミー賞で主演男優賞、助演女優賞など4部門でノミネートを受け、ゲルダを演じたアリシア・ビカンダーが助演女優賞を受賞した。
ジャンル:伝記
個人的満足度:☆★★★★