『マルホランド・ドライブ』(2001年・アメリカ)
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原題:Mulholland Drive
監督:デヴィッド・リンチ
出演:ナオミ・ワッツ
ローラ・ハリング
アン・ミラー
ジャスティン・セロー
ダン・ヘダヤ
ロバート・フォスター
レベッカ・デル・リオ
ミシェル・ヒックス
メリッサ・クライダー
リー・グラント
メリッサ・ジョージ
チャド・エヴェレット
パトリック・フィッシュラー
上映時間:2時間25分
【あらすじ】
ロサンゼルス北部の山を横断する曲がりくねった道路"マルホランド・ドライブ"。ある夜、車の衝突事故が起こり、唯一の生存者である女は傷を負ったままハリウッドの街にたどり着く。高級アパートの一室に身を隠した彼女は、そこで女優志望のベティと遭遇。女はとっさに"リタ"と名乗り、事故に遭って記憶を失っていることをベティに打ち明ける。リタのバッグには大金と青い鍵が入っており、思い出せるのは"マルホランド・ドライブ"という言葉だけ。ベティはリタの記憶を取り戻す手助けをしようと決意するが……。
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『ブルーベルベット』『ワイルド・アット・ハート』の鬼才デヴィッド・リンチが、ハリウッドを舞台に2人の女が織りなす物語を悪夢のように不条理な展開で描いたミステリー・ドラマ。ハリウッド映画界に夢を抱く娘の、栄光と挫折、感情の裏表を映し出す。謎だらけな展開の連続に混乱してしまいそうだが、ミステリアスな雰囲気に酔うだけでも心地いい。主演は『21グラム』のナオミ・ワッツと『パニッシャー』のローラ・ハリング。2001年・第54回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した。
本作品には、直線的に進行するストーリーが存在しない。現実のシーン、回想のシーン、空想のシーン、夢のシーン、ストーリーに関わりのなさそうな第三者のシーンなどが説明のないまま鏤められているような印象を与えがちである。それが誰の「回想・空想・夢」なのか、果たして「現実のシーン」などあるのかという疑問を通常観客は抱きがちである。観客は映画・および入手した情報全体から、それぞれ自分なりのストーリーを作り出し、その世界観を解釈することもできるし、或いは幻惑的とも言えるシーン展開に身を任せることも可能である。こうした手法は、『イレイザーヘッド』 『ブルーベルベット』 『ツイン・ピークス』 『ロスト・ハイウェイ』などの、リンチ自身が脚本を書いている作品から連綿と受け継がれている。その脈絡の無さ、意味不明さを突きつけられた観客が無理矢理にストーリーと世界観を組み立てる事が、「人が無秩序な現実世界を前にして、無理矢理に"世界観"を組み立て、人生を"ストーリー"化する」さまを、映画というメディアに投影しているという解釈も出来る。しかしそれも数ある解釈の一例に過ぎない。
英BBCが選んだ「21世紀 最高の映画100本」でベストワンに選ばれている。また、イギリスのエンタメニュースサイトdigital spyの「映画に出てくる名セックスシーンベスト10」で3位に選ばれた。そのほか、英国映画協会が2022年に発表した「史上最高の映画100本」で8位に、「映画監督が選ぶ史上最高の映画100本」では22位に選ばれた。
以下は、リンチにより提示された、ストーリーを理解するためのヒントである。映画公開当時は、オフィシャルサイトにも掲載されていた。
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・映画の冒頭に、特に注意を払うように。少なくとも2つの手がかりが、クレジットの前に現れている。
赤いランプに注目せよ。
・アダム・ケシャーがオーディションを行っている映画のタイトルは? そのタイトルは再度誰かが言及するか?
・事故はひどいものだった。その事故が起きた場所に注目せよ。
・誰が鍵をくれたのか? なぜ?
・バスローブ、灰皿、コーヒーカップに注目せよ。
・クラブ・シレンシオで、彼女たちが感じたこと、気づいたこと、下した結論は?
・カミーラは才能のみで成功を勝ち取ったのか?
・Winkiesの裏にいる男の周囲で起きていることに注目せよ。
・ルース叔母さんはどこにいる?
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ジャンル:ミステリー
個人的満足度:☆☆☆★★