『ピエロがお前を嘲笑う』(2014年・ドイツ)
*****
原題:Who Am I - Kein System ist sicher
監督:バラン・ボー・オダー
出演:トム・シリング
エリアス・ムバレク
ヴォータン・ヴィルケ・メーリング
アントニオ・モノー・Jr.
ハンナー・ヘルツシュプルンク
シュテファン・カンプヴィルト
トリーヌ・ディルホム ほか
上映時間:1時間46分
【あらすじ】
数々のハッキング事件で世間を騒がせ、果ては殺人事件への関与も疑われ、指名手配されていた天才ハッカーのベンヤミンが、自ら警察に出頭して一連の出来事について供述を始める。
本来、内気で冴えない性格の彼がハッカーになったのは、想いを寄せる女性マリのために試験問題を入手しようとしたのが事の始まり。その後、野心家のマックスと出会って意気投合し、ハッカー集団「CLAY(クレイ)」を結成して快進撃を続ける彼らだったが……。
*****
過激なハッカー集団に加担した天才ハッカーが、いつしか危険な世界へとはまり込んでいくドイツ製サイバー・スリラー。全編に仕掛けられたトリックが話題を呼び、ドイツ・アカデミー賞6部門にノミネートされたほか、世界各地の映画祭でも支持された。
警察に出頭した天才ハッカーの青年が語る事件の顛末と、その自白によって進められる捜査の行方を描いている。仮想空間であるウェブでの人間同士のやり取りを現実世界の地下鉄に見立てて表現するシーンが随所で登場する。
いわゆる"信頼できない語り手"である天才ハッカーの自白をもとに物語が進行していく本作は、『ユージュアル・サスペクツ』や『ファイト・クラブ』などと同様、トリッキーな仕掛けが満載。映画を見終わった後、「うーん、見事に騙された!」と感服・脱帽する映画ファンが続出し、本国ドイツで大ヒットを記録し、各社争奪戦の末、ハリウッドでリメイクされることもいち早く決まった極上の娯楽サスペンス。そのスリリングな話の行方は、最後の最後まで目が離せない。
ジャンル:クライム
個人的満足度:☆☆☆☆☆