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原題:Down by Law
監督:ジム・ジャームッシュ
出演:トム・ウェイツ
ジョン・ルーリー
ロベルト・ベニーニ
ニコレッタ・ブラスキ
エレン・バーキン
ビリー・ニール
ロケッツ・レッドグレア
上映時間:1時間47分
【あらすじ】
米国・ニューオーリンズ。うまい儲け話に乗った落ち目のDJザックは、知らずに犯罪に関わったため警察に逮捕されてしまう。刑務所に収監されたザックはチンピラのジャックと相部屋になるが、社交的ではない2人は初対面からウマが合わない。そこへ、陽気でおしゃべりなイタリア人ロベルトが新たに投獄されてきたことで、いつの間にか3人は意気投合。そんなある日、彼らはロベルトが提案した脱獄を実行し、思いのほかあっさり成功する。だが、その後道に迷ってしまい、延々と続く沼地を放浪するはめになる。やがて、一行は道沿いに立つ小さなカフェに行き当たり、ロベルトは女主人のニコレッタと出会う……。
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ジム・ジャームッシュの監督第3作。商業デビュー作『ストレンジャー・ザン・パラダイス』に続いてのタッグとなった常連ジョン・ルーリー、ジャームッシュが敬愛するミュージシャンのトム・ウェイツ、そしてイタリアの喜劇俳優ロベルト・ベニーニを迎え、刑務所で出会った男たちの奇妙な友情をオフビートに綴る。彼らが外の世界で行く当てもない旅を繰り広げ、やがてそれぞれの道を歩み始めるまでの過程が、独特のユーモアで描かれている。トム・ウェイツは音楽も担当。ロビー・ミュラーによるモノクロ撮影も見どころ。
本作は、当時既に幾つかの映画で端役として出演していたシンガーソングライター、トム・ウェイツの初主演映画である。また、ウェイツは自身の楽曲「ジョッキー・フル・オブ・バーボン」「タンゴ」も本作に提供。本作以後もウェイツとジャームッシュの関係は続く。ジャームッシュ監督作品ならではのロング・ショットとモノクロームで構成された独自の映像表現によって世界観が印象的に描き出されており、ファンの間でも特に人気の高い作品である。
1986年5月に第39回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で先行上映された。その後、インディペンデント・スピリット賞で4部門にノミネートされた。
原題は刑務所のスラングで「親しい兄弟のような間柄」を意味する。
ジャンル:コメディ
個人的満足度:☆☆☆☆☆