映画 #541『ドライビング Miss デイジー』

 

ドライビング Miss デイジー』(1989年・アメリカ)

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原題:Driving Miss Daisy

監督:ブルース・ベレスフォード

出演:ジェシカ・タンディ
   モーガン・フリーマン
   ダン・エイクロイド
   パティ・ルポーン
   エスター・ローレ
   ジョー・アン・ハヴリラ
   ウィリアム・ホール・Jr.

上映時間:1時間39分

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【あらすじ】

有色人種に対する差別が当たり前だった1948年の夏、ジョージア州アトランタ。長年勤めた教職を退いたデイジーは未亡人。まだまだ元気いっぱいの彼女だったが、寄る年波には勝てず、ある日車の運転中に危うく大事故を引き起こしかける。亡くなった父の跡を継いで会社の社長となっていた息子ブーリーは、そんな母の身を案じ、専属の運転手ホークを雇うことに……。

 

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白人の老婦人と黒人の運転手の心の交流と友情を、25年の時の流れの中で描くヒューマン・ドラマ。人種差別が法的に許されていた1940年代から公民権法が施行された1970年代のアメリカ南部を舞台に、老齢のユダヤ系未亡人とアフリカ系運転手の交流がユーモラスに映し出される。

原作は、1987年度のピューリッツァー賞演劇部門を受賞したアルフレッド・ウーリーの戯曲である。映画化にあたり、ウーリーは本作品の脚本も担当した。

 

1989年12月15日に北米で限定公開され大ヒットを記録。アメリカ国内で約1億600万ドル、国外で約3900万ドルの興行収入を挙げた。同年度のアカデミー賞では作品賞を含む9部門でノミネートされ、そのうち作品賞、主演女優賞、脚色賞、メイクアップ賞の4部門で受賞した。特に映画で老齢の未亡人を演じたジェシカ・タンディの演技は高く評価された。タンディは80歳でアカデミー主演女優賞を獲得したが、彼女の年齢は同賞における最高齢での受賞である。

 

黄昏に向かっていく余生の中、肌の色や階級の違いを乗り越えて次第に友情を育んでいく2人の主人公。作品の底辺に流れる、人類愛の精神が観客の胸を打つ秀作だ。

 

 

ジャンル:ドラマ

個人的満足度:☆☆☆★★