『君が生きた証』(2014年・アメリカ)
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原題:Rudderless
監督:ウィリアム・H・メイシー
出演:ビリー・クラダップ
マイルズ・ハイザー
アントン・イェルチン
フェリシティ・ハフマン
ローレンス・フィッシュバーン
ウィリアム・H・メイシー
ベン・クウェラー
ライアン・ディーン
セレーナ・ゴメス
ジェイミー・チャン
ケイト・ミクーチ
ピーター・スプリュート
上映時間:1時間45分
【あらすじ】
やり手の広告宣伝マンのサムは大きな契約をまとめ、祝杯をあげようと大学生の息子ジョシュを強引に呼び出した。ところがジョシュは店に現れず、テレビに映し出されたのは大学で起きた銃乱射事件の速報ニュース。ジョシュは帰らぬ人になってしまったのだ。
2年後。会社を辞めて荒んだボート暮らしを送るサムを、別れた妻が訪ねてくる。「あの子の音楽好きはあなた譲りだから」と渡されたのは、生前にジョシュが書き溜めていた自作曲の歌詞とデモCD。曲を聴いたサムは、ジョシュが何を思い、何を感じて暮らしていたのかをまったく知らなかった自分に気づく。ジョシュが遺したギターでジョシュの曲を爪弾くようになったサムは、場末のライブバーの飛び入りステージに参加する。酔客の喧騒の中、サムの演奏に魅了されたのはロック青年のクエンティンだった。
「あの曲はもっと多くの人に聴かせるべきだ」と力説する情熱に押し切られ、親子ほど年の違うクエンティンとバンド"ラダーレス"を組むことに。次第に人気を集めていくが、実はサムには喝采を浴びる事ができない理由があった……。
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『ファーゴ』『マグノリア』などで知られる名優ウィリアム・H・メイシーが初監督を務め、死んだ息子が遺した楽曲を歌い継ぐ父親と、その歌に魅了されたミュージシャン志望の青年が、音楽を通じて再生し、成長していく姿を描いたドラマ。主演は『ビッグ・フィッシュ』のビリー・クラダップ。彼とバンドを組む青年役のアントン・イェルチンと共に、吹替えなしで歌声とギターの腕前をたっぷりと披露している。2014年サンダンス映画祭 プレミア部門出品/クロージング作品。
愛する息子を思いがけない形で突如失い、いったんは絶望のどん底に沈んだ父親が、息子の遺した楽曲、そして音楽好きの若者たちとの出会いを通して、癒やしがたい過去の傷を乗り越えていこうとする姿を、彼にそっと寄り添うようにして繊細に描写。物語途中での転換も巧みで、単なる感動を超えた深みある人生のドラマが紡がれる。良質な"人間ドラマ"と"音楽"をみごとに融合させた、心にしみる感動作だ。
ジャンル:ドラマ
個人的満足度:☆☆☆☆☆