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原題:Paris,Texas
監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:ハリー・ディーン・スタントン
ナスターシャ・キンスキー
ハンター・カーソン
ディーン・ストックウェル
オーロール・クレマン
トム・ファレル
ベルンハルト・ヴィッキ
ジョン・ルーリー ほか
上映時間:2時間27分
【あらすじ】
荒野を一人さまよっていた男が、ガソリンスタンドで気絶した。記憶を失っている男の持ち物を手がかりに連絡を受けたウォルトは、男が4年前に失踪した兄トラヴィスだと確認する。トラヴィスは、テキサス州の町パリに所有する土地を目指していた。徐々に記憶を取り戻したトラヴィスは、4年ぶりに再会した幼い息子とともに、妻を探す旅に出る……。
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ヴィム・ヴェンダース監督が、テキサスの荒野を放浪する男の妻子との再会と別れを、ライ・クーダーの哀愁漂う音楽に乗せて描き、1984年・第37回カンヌ国際映画祭で最高賞パルム・ドールに輝いた傑作ロードムービー。主人公トラヴィスをハリー・ディーン・スタントン、妻をナスターシャ・キンスキーがそれぞれ好演。俳優サム・シェパードと『ブレスレス』のL・M・キット・カーソンが脚本を手がけた。
原題は、「テキサス州パリス」を意味する。テキサス州パリスは同州ラマー郡の郡庁所在地で、人口約2.5万人(2010年)の小さな街である。原作はサム・シェパードによるエッセイ「モーテル・クロニクルズ」であり、『ハメット』の主役に推薦して果たせなかったヴェンダースがシェパードに依頼し、L・M・キット・カーソンが翻案し、シェパードが脚色した。ちなみにキット・カーソンは主人公トラヴィスの一人息子を演じたハンター・カーソンの父である。
静かな映像のなかに時折流れる、スライドギターの音色が効果的。ストーリー、音楽、映像が見事にマッチし、珠玉の作品となった。
ジャンル:ドラマ
個人的満足度:☆☆☆☆☆