『モスキート・コースト』(1986年・アメリカ)
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原題:The Mosquito Coast
監督:ピーター・ウィアー
出演:ハリソン・フォード
ヘレン・ミレン
リヴァー・フェニックス
ジャドレーン・スティール
ヒラリー・ゴードン
レベッカ・ゴードン
コンラッド・ロバーツ
マーサ・プリンプトン ほか
上映時間:1時間57分
【あらすじ】
アメリカの管理された文明社会を嫌悪する発明家のアリー・フォックスは、家族六人で中米のホンジュラスに移住した。そこは、"モスキート・コースト"と呼ばれる未開の密林で、何も無い地に理想の生活を築き上げるというのがアリーの夢だった。
栽培用の種を保存するために氷が必要になり、発明家の才能を発揮して巨大製氷器を作り上げたが、ある日から居座りを続けた武装集団を殺害する際に製氷器が爆発、多量のアンモニアが流出しジャングルを汚染してしまう。ジャングルを出て不安定な生活を続ける一家は、信念を貫こうとする父親に振り回されるようになり、家族の信頼関係は次第に崩壊していくのだった……。
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『刑事ジョン・ブック/目撃者』の監督ピーター・ウィアーと主演ハリソン・フォードのコンビ作。アメリカ特有の開拓精神を洞察するポール・セローのベストセラー小説が原作で、家族を道連れに、中米ホンジュラスの密林"モスキート・コースト"に理想の村を建設しようとする、徹底した個人主義者の発明家の苛烈な行動を描く。ハリソンと、今は亡きリヴァー・フェニックスが親子役で共演して話題になった。
主人公が頑固を通り越してエゴ丸出しの男として描かれているのが特徴で、単に自然回帰の賛美を謳うドラマではなく、むしろひとつのモチーフに取りつかれた者の狂気や、世代間の対立、親子の問題など、さまざまな要素を内包した問題作に仕上がっている。リヴァー演じる息子からの視点でドラマが語られていく構成も秀逸。
ジャンル:ドラマ
個人的満足度:☆☆☆☆★