映画 #969『トゥームストーン』

 

『トゥームストーン』(1993年・アメリカ)

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原題:Tombstone

監督:ジョージ・P・コスマトス

出演:カート・ラッセル
   ヴァル・キルマー
   サム・エリオット
   ビル・パクストン
   パワーズ・ブース
   マイケル・ビーン
   ダナ・デラニ
   ジョアンナ・パクラ
   チャールトン・ヘストン
   ジェイソン・プリーストリー
   ジョン・テニー
   テリー・オクィン
   スティーヴン・ラング
   トーマス・ヘイデン・チャーチ
   ダナ・ウィーラー=ニコルソン
   ポーラ・マルコムソン
   リサ・コリンズ
   マイケル・ルーカー
   ハリー・ケリー・Jr.
   ビリー・ゼイン
   ジョン・コーベット
   トーマス・アラナ
   ロバート・ジョン・バーク
   ビリー・ボブ・ソーントン
   フランク・スタローン
   ロバート・ミッチャム(声)

上映時間:2時間10分

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【あらすじ】

元保安官のアープはドラッグ中毒になった妻の療養のため、兄や弟が住む新天地トゥームストーンの町に引っ越す。だが、町は無法者の集団"カウボーイズ"に牛耳られており、一度は平和な暮らしを望んだアープだったが再び銃を手に取り、町で新たな保安官になる。やがてアープは旧友ドク・ホリデイと再会するが、ドクの体は結核に冒されていた。ある日、"カウボーイズ"のひとりが老保安官を殺す事件が発生してしまい……。

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名作『荒野の決闘』『OK牧場の決斗』やケヴィン・コスナー主演の『ワイアット・アープ』でも取り上げられた大西部の英雄W・アープの姿を新しい解釈で捉えたアクション。

 

世に言う「OK牧場の決闘」と、それに関連する抗争を題材にした西部劇映画。トゥームストーンの町を主な舞台に、アープ三兄弟と無法者集団「カウボーイズ」との抗争が描かれている。ジョージ・P・コスマトス監督。ワイアット・アープはカート・ラッセル、ドク・ホリデイはヴァル・キルマーが演じた。

中盤で「OKコラル銃撃戦」を描き、その後のヴァージル・アープ闇討事件、モーガン・アープ殺害事件を経て、ツーソン駅構内でのワイアットによるフランク・スティルウェル殺害と報復開始宣言から「カウボーイズ」の殲滅までが描かれている。アクションを重視した娯楽作品だが、史実に基づく設定(完全に忠実というわけではなく演出的な変更はある)に、こだわって作られている。

 

同一事件を描く従来の作品では、クラントン一家を敵役とし、両者の抗争の決着をOK牧場での決闘でつける、というストーリー形式のものが多い。史実は、クラントン一家をメンバーに含む集団とアープ一家との政治的背景を伴う対立が、OKコラル近辺の写真館横の空き地で半ば突発的に起こった銃撃戦を契機に、実力行使状態に陥り、闇討の殺害事件を経て、それぞれ別の保安官資格をもつ両者が互いに相手集団を無法者呼ばわりして法執行の名のもとに付け狙うという異常事態に発展したのが真相である。初めて史実の流れに基いて作られた映画がジョン・スタージェス監督の『墓石と決闘』で、それ以降に同事件を題材として作られる映画は、史実の流れに基づいたストーリーの組立をおこなっている作品が多い。

本作品では、「カウボーイズ」のリーダー格としてカーリー・ビル・ブロシャスとジョニー・リンゴをクローズアップしている。OKコラル銃撃戦に居合わせなかった両者それぞれとの決戦は、アイアン・スプリングスでのカーリービル一味の待ち伏せ事件と、オークグローブでのリンゴとドク・ホリデイとの決闘として描かれており、これをもって作品全体のクライマックスとしている。

作品冒頭のナレーションはロバート・ミッチャムが担当しており、そこで流れる映像は映画史上最初の西部劇と言われている『大列車強盗』を意識したものとなっている。ちなみに、ビリー・クレイボーン役で、ワイアット・アープ三世がカメオ出演している。

 

1990年代、一時期勢いをなくした西部劇を再興させようとする動きがあったが、本作はそんな中で作られた痛快ウエスタン・アクション。ハードなガン・バイオレンスを満載しただけでなく、アープと親友ドク・ホリデイの友情もドラマとしてきちんと描いたのが見応えがあり、男のロマンと西部への郷愁に満ちた佳作に仕上がった。豪華オールスター・キャストの共演も大きな見ものだ。

 

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ジャンル:西部劇

個人的満足度:☆☆☆☆☆