映画 #867『アフター・アワーズ』

 

アフター・アワーズ』(1985年・アメリカ)

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原題:After Hours

監督:マーティン・スコセッシ

出演:グリフィン・ダン
   ロザンナ・アークエット
   テリー・ガー
   チーチ・マリン 
   トミー・チョン 
   ヴァーナ・ブルーム
   リンダ・フィオレンティー
   ジョン・ハード
   キャサリン・オハラ
   ウィル・パットン
   ロバート・プランケット
   ディック・ミラー
   ブロンソン・ピンチョット
   ラリー・ブロック
   ヴィクター・アルゴ
   マーティン・スコセッシ

上映時間:1時間37分

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【あらすじ】

ワープロ技師のポールは、仕事帰りに立ち寄ったカフェで若い女マーシーに声を掛けられ、電話番号を教えてもらう。自宅に帰った彼は早速マーシーに電話を掛け、彼女がルームメイトと暮らすアパートへ会いに行く約束をする。しかし、乗り込んだタクシーの乱暴な運転のせいで、全財産20ドルが窓から飛んでいってしまう。さらに、次から次へとポールの身に不条理な出来事が降りかかり……。

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タクシードライバー』のマーティン・スコセッシ監督が、ニューヨークを舞台にある男が体験する奇妙な一夜を描いたブラックコメディ。『狼男アメリカン』のグリフィン・ダンが主演を務め、『グラン・ブルー』のロザンナ・アークエット、『トッツィー』のテリー・ガーが共演。1986年、第39回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した。

 

ニューヨーク派のマーティン・スコセッシ監督が同地を舞台に描く一夜の巻き込まれ型風俗コメディーだが、その中にはニューヨーカーの孤独や現代社会を生きる人々の神経症的気質も巧みに盛り込まれており、小品ながらもなかなか一筋縄ではいかない逸品に仕上がっている。悪人がひとりも出てこないのに、主人公がどんどん不幸になっていく不条理性が何とも軽やかに繰り広げられていく、その過程がふと無気味に思えたりするのが、本作のミソともいえるだろう。矢継ぎ早に登場する女性陣が常に主人公のトラブルのポイントになっている構造もおもしろい。

 

 

ジャンル:ドラマ

個人的満足度:☆☆☆★★