映画 #710『孤島の王』

 

『孤島の王』(2010年・ノルウェー、フランス、スウェーデンポーランド)

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原題:Kongen av Bastøy

監督:マリウス・ホルスト

出演:ベンヤミン・ヘールスター
   ステラン・スカルスガルド
   クリストッフェル・ヨーネル
   トロン・ニルセン
   エレン・ドリト・ピーターセン
   マグヌス・ラングレーテ
   モルテン・ルーヴスタッド  ほか

上映時間:1時間56分

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【あらすじ】

1915年。ノルウェーのバストイ島に、罪を犯した元船乗りの少年エーリングが本土から送還されてくる。そこで彼が目の当たりにしたのは、外界とは隔絶した矯正施設のあまりにも理不尽な現実だった。イジメにも似た重労働の懲罰、教育者による性的虐待。尊大なる王のごとく君臨する院長や冷酷な寮長に事あるごとに反発するエーリングの孤独な抵抗は、次第に優等生オーラヴなど過剰な抑圧にさらされた少年たちの心を突き動かし、やがて生死を賭けた反乱を引き起こしていく……。

 

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虐げられた少年たちは、自由を求め極寒の孤島からの脱出を目指す。尊厳をかけた反乱の果てに待つものは……。

 

世界有数の福祉国家として知られるノルウェーに存在する監獄島、バストイ島で20世紀初頭に起きたとされる暴動を映画化した実録サスペンス。絶海の孤島に送られた非行少年たちを更生させる施設を舞台に、そこに収容された少年たちの過酷な生活と彼らが起こした壮絶な反乱劇を描く。

ノルウェーの俊英マリウス・ホルスト監督が、抑圧された少年たちの心情をリアルに活写。島を支配する院長を、北欧きっての名優ステラン・スカルスガルドが怪演する。

 

ノルウェーの首都オスロの南方に浮かぶバストイ島にかつて存在した、11歳〜18歳の少年向けの矯正施設。そこでは理不尽な懲罰や暴行が横行しており、1915年には少年たちの反乱が勃発、鎮圧のために150名の兵士が出動するほどの大事件となった。大多数のノルウェー国民も知らなかった歴史の闇に光を当てた衝撃作に仕上がっている。
「人は誰でも王になれる」――エーリングが自由を訴えて叫ぶこの痛切な言葉は、観る者すべての胸を熱くさせる。

 

ノルウェーの権威あるアマンダ賞で作品賞、脚本賞など4部門を制した。

 

 

ジャンル:ドラマ

個人的満足度:☆☆☆☆☆