映画 #686『ファニーゲーム』

 

ファニーゲーム』(1997年・オーストリア)

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原題:Funny Games

監督:ミヒャエル・ハネケ

出演:スザンヌ・ロタール
   ウルリッヒ・ミューエ
   アルノ・フリッシュ
   フランク・ギーリング

上映時間:1時間48分

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【あらすじ】

穏やかなある夏の午後。バカンスを過ごしに湖のほとりの別荘へ向かうショーバー一家。主のゲオルク、妻のアナ、そして息子のショルシと愛犬のロルフィー。別荘に着き、台所で夕食の支度をするアナの元に、見知らぬ青年が訪れる。ペーターと名乗るその青年は、卵を分けてくれないかと申し出る。他愛もない会話の後、突然ペーターはアナに好戦的な態度をとり始めた。そこへもうひとりの青年パウルが現れ、さらにアナを挑発。ゲオルクが仲裁に入るが、パウルは逆にゴルフクラブでゲオルクの膝を打ち砕いた。
この時から、一家は青年ふたりの操る《ファニーゲーム》の不運な参加者となったのだった……。

 

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ショックのあまり、賛否両論を巻き起こした問題作…。

 

1997年カンヌ出品時、あまりに衝撃的な展開に途中で席を立つ人が続出。上映を観た人々から口コミが広がり、斬新なスタイルとショッキングなテーマがカンヌ中の話題をさらった。

 

監督は、現代映画史において語らずにはいられない巨匠ミヒャエル・ハネケ。彼は2001年カンヌ国際映画祭において『ピアニスト』で審査員特別賞を、'04年『隠された記憶』で監督賞を手にした。本作は、彼の金字塔的な作品と称されている作品だ。

カンヌ国際映画祭で上映された際、《ショッキングな場面あり》という警告付きでコンペ上映された本作。一貫して暴力とメディアを描いてきたハネケ監督は、本作品でスクリーンの中の暴力と観客を結び付けようとし、その挑戦は大きな話題となった。彼は「今のハリウッドが暴力が快楽を求める手っ取り早い方法となりつつあり、ユーモアとして処理されている」と、真っ向からのアンチテーゼを掲げたのだ。

 

 

ジャンル:スリラー

個人的満足度:☆☆☆☆☆