『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』(2019年・アメリカ)
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原題:The Last Black Man in San Francisco
監督:ジョー・タルボット
出演:ジミー・フェイルズ
ジョナサン・メジャース
ダニー・グローヴァー
ティシーナ・アーノルド
ロブ・モーガン
マイク・エップス
フィン・ウィットロック
ジャマル・トゥルーラヴ
マクシミリアン・エウォルト
ジェロ・ビアフラ
サン・クイン
デウォン・ソン
アンディ・ロイ
ウィリー・ヘン
ソーラ・バーチ
トーニャ・グランツ
上映時間:2時間0分
【あらすじ】
サンフランシスコで生まれ育ったジミー(ジミー・フェイルズ)は、祖父が建て、かつて家族と暮らした思い出の宿るヴィクトリアン様式の美しい家を愛していた。変わりゆく街の中にあって、地区の景観とともに観光名所になっていたその家は、ある日現在の家主が手放すことになり売りに出される。再びこの家を手に入れたいと願い奔走するジミーは、叔母に預けていた家具を取り戻し、いまはあまり良い関係にあるとは言えない父を訪ねて思いを語る。そんなジミーの切実な思いを、友人モント(ジョナサン・メジャース)は、いつも静かに支えていた。
いまや都市開発・産業発展によって、"最もお金のかかる街"となったサンフランシスコで、彼は失くしたものを、自分の心の在りどころであるこの家を取り戻すことができるのだろうか……。
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サンフランシスコを舞台に、都市開発により取り残されてしまった人たちのリアルな姿を描いたドラマ。主人公を実名で演じた主演のジミー・フェイルズが10代の頃に体験した自伝的物語で、フェイルズの幼なじみでもあるジョー・タルボット監督が長編初メガホンをとり映画化。かつて家族で住んでいた家を買い戻そうと奔走する男の姿を通し、街の変容が人々から奪っていくものや家族の絆などを見つめる内容が反響を呼び、サンダンス映画祭の監督賞、審査員特別賞を受賞したほか、オバマ前米大統領が選ぶベストムービーにも選出された。
メガホンを取るのはジョー・タルボット。ジミー・フェイルズが主演を務め、『囚われた国家』などのジョナサン・メジャース、『黒い司法 0%からの奇跡』などのロブ・モーガン、ダニー・グローヴァーらが脇を固めている。
多くの財産をもたず、大都市の片隅に追いやられても、家族の記憶が宿る美しい家や、かけがえのない親友を大切にする主人公・ジミー。そんな彼の姿は、「人生にとって、本当に必要なものとは何か」を見つめ直したい今だからこそ、私たちに温かい抱擁のような余韻を残し、寄り添ってくれる。
ジャンル:ドラマ
個人的満足度:☆☆☆☆☆