『エスケイプ・フロム・トゥモロー』(2013年・アメリカ)
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原題:Escape from Tomorrow
監督:ランディ・ムーア
出演:ロイ・アブラムソン
エレナ・シューバー
ケイトリン・ロドリゲス
ダニエル・サファディ
アネット・マヘンドリュ
スタッス・クラッセン
エイミー・ルーカス ほか
上映時間:1時間30分
【あらすじ】
いろいろダメダメな平均的中年アメリカ人のジムは二児のパパ。この途方もない未来からの脱出ゲームは、ある朝ジムが突然会社をクビになったときから始まっていた。なにかにつけて口うるさい妻と、言うことを聞かない子供たちを連れて、魔法の城や妖精たち、ホワイト・プリンセスの待つあのステキなテーマパークへやってきたジム。夢と魔法の国での現実逃避を企てるジムがそこで目にするものは、黒いプリンセスが仕掛けるゆがんだ幻想ワールド。楽しいはずの家族旅行はたちまちにして、妄想と奇妙な出来事に溢れたシュールな悪夢へと変貌する。夢が必ず叶うこの場所は、ジムの偉大なる妄想までをも叶えてしまうのだが……。
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2013年1月、米・サンダンス映画祭でプレミアされるやいなや、"最大の問題作"と世界中で話題になるも、日本では絶対に公開不可能と噂された怪作。日本でも「夢の国」と呼ばれ絶大な人気を誇るあの有名テーマパークを舞台に、仕事をクビになった冴えない中年男が家族と共に訪れたパークで遭遇する、現実と妄想の入り交じるシュールな体験を描いたダーク・ファンタジー。
米フロリダにある同パーク内で無許可でゲリラ撮影を敢行し、製作された。悪夢的な内容や、夢と魔法のファンタジックワールドをグロテスクな光景として映し出した世界観が衝撃的。
ランディ・ジョンソンよろしく内角ぎりぎりストライクの豪速球クロスファイアーで全エンタメ界を揺さぶるランディ・ムーアの監督デビュー作。意味深なモノクロ映像で撮影された本作は、"人為的な完全性という幻想"にメスを入れつつ、大衆エンタテインメントに執着する現代人の文化絶対主義を痛烈に揶揄し、神格化されたカルチャーへのまなざしの相対化を試みる意欲作である。
ジャンル:スリラー
個人的満足度:☆☆☆☆★