映画 #65『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』

 

クワイエット・プレイス  破られた沈黙』(2021年・アメリカ)

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原題:A Quiet Place Part II

監督:ジョン・クラシンスキー

出演:エミリー・ブラント
   キリアン・マーフィ
   ミリセント・シモンズ
   ノア・ジュプ
   ジャイモン・フンスー
   ジョン・クラシンスキー

上映時間:1時間37分

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【あらすじ】

世界は、音に反応し人間を襲う何かによって荒廃していた。夫のリー(ジョン・クラシンスキー)と家を失ったがかろうじて生き延びた妻のエヴリン(エミリー・ブラント)は、赤ん坊と2人の子供(ミリセント・シモンズ、ノア・ジュープ)と一緒に、新たな避難場所を探しに行く。

 

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音に反応して人間を襲う何かが支配する世界で暮らす一家のサバイバルを描いた『クワイエット・プレイス』の続編。夫を失いながらも生き延びた母子が、新たな脅威に遭遇する。

 

 

【起】

アメリカの住宅街は、朝早いのでまだ静かです。目立った変化は家に飾られた旗が揺れて、信号が変わるくらいです。そこへ1台の車がやってくると、停車しました。車から出てきたのは、リー・アボットです。

〔1日目〕

テレビニュースでは、遠い地で大惨事が起きているという報道がなされています。しかしまだ詳細が掴めておらず、ニュースでも「ショッピングセンターで轟音と振動」という話くらいしか出ていません。雑貨店の老夫婦はニュースに見入っている横で、果物を物色したリーは買い物を終えて老夫婦にひと声かけると、店を出ていきます。

その日は子どもたちのリトルリーグの日でした。リーがグラウンドに顔を出すと、妻のイヴリン、長女のリーガン、次男のボーが観客席にいます。長女のリーガンは聴覚障碍者で、補聴器を持っています。長男のマーカスは野球の試合に出ていました。リーは他の保護者たちと、屈託なくあいさつを交わします。

野球の試合は続いていました。リーの長男・マーカスはバッターボックスに立ちます。観客席に置かれていたラジオが突然、音を出さなくなりました。犬が吠え始めると、向こうの方にある巨大ショッピングモールの上空に、巨大な火の玉のような炎が落ちてきているのが見えます。エイリアンが襲撃してきたのですが、最初リーたちは全く知りません。それでも異変を感じ取った住民たちは、ただちに野球をやめてそれぞれ家へ帰ろうとします。アボット家は父母2台の車に分乗します。母・イヴリンはマーカスとボーを連れ、父・リーはリーガンを連れて車に乗りました。そこへパトカーがやってきます。

リーは車を降りると、事情が分かっていない警察官に説明をしようとしました。ただリー自身も何が起きているか把握していません。そこへ突然、巨大な何かがパトカーに突っ込んできました。パトカーは横転します。通りは一転してパニックに陥りました。

襲ってきたのは、巨大なエイリアンです。手足の細い四足の巨大な生き物で、音に敏感でした。音を聞くと素早く攻撃してきます。リーとリーガンは車から降りて、表通りの店へ避難しました。母・イヴリンはマーカスとボーを連れていますが、反対側からバスが暴走してくるのを見ます。運転席にはエイリアンがくっついており、窓を破壊していました。バスとの正面衝突を避けたイヴリンは、しかし車にダメージを負って徒歩で逃げます。

リーとリーガンが逃げた店には他にも複数の人が避難していますが、誰かの携帯に着信があり、エイリアンが襲ってきます。リーたちは裏口から逃げましたが、音を聞きつけてエイリアンが追ってきます。

イヴリンは警官を見つけますが、警官はエイリアンに襲われて死にました。警官が持っていたショットガンを、イヴリンは手にします。そこへリーたちが逃げてきたので、イヴリンはリーの背後にいるエイリアンへ向けて、ショットガンをぶっぱなしました…。

 

【承】

〔474日目〕

(この間の出来事が、前作品の内容に当たります)あれから1年以上の月日が経過しました。次男のボーと父・リーは亡くなり、イヴリンは赤ん坊を出産しています。イヴリンは赤ん坊を胸に抱えて、リーガンとマーカスを連れるとショットガンを持って移動しています。行った先で必要な物資を手に入れながら、ほかに生存者がいないか探します。

移動した先には、農場がありました。襲われたばかりなのか、一部が燃えています。建物にたどり着くと、彼らは手分けして物色します。イヴリンは赤ん坊を抱いて水につかりつつ、奥へ進みました。防音を施したトランクケースを用意しており、赤ん坊が泣き出すと酸素マスクをつけて、トランクに入れるようにしています。リーガンは家の探索を済ませると、持っているニューヨーク州の地図に記入をしました。

別の日も、イヴリンたちは裸足で歩いて移動します。慎重に、物音を立てないように歩いた3人は、線路沿いに歩いていました。立ち入り禁止の場所に入り込みます。そこには瓶を吊ったトラップがあり、物音立ててしまいました。イヴリンたちは急いでその場から逃げます。途中でマーカスがトラバサミの罠を踏んでしまい、叫びそうになりました。イヴリンがかけよって口をふさぎますが、エイリアンが声をききつけて襲ってきます。

イヴリンたちは、エイリアン撃退法を見つけていました(前作品の終盤で)。ハウリングの音をエイリアンが嫌うのです。エイリアンの体は頑丈で銃で撃っても効果がありませんが、ハウリングの音を聞かせると、エイリアンの硬質な頭部が開くのです。そこを撃てば倒せます。

エイリアンをぎりぎりまでひきつけるとハウリングの音を聞かせ、開いた頭部をめがけてイヴリンはショットガンを撃ちました。倒します。

エイリアンを倒した後、イヴリンはトラバサミからマーカスを外して、建物の中に逃げ込みました。何者かに口を押えられます。その男性はイヴリンたちを案内して、工場の地下に誘導しました。巨大な穴(通風孔)をおりて地下へいくと、焼却炉がありました。そこは密閉されるので会話ができます。但し密閉すると酸素が欠乏するので、タイマーをかけて入口を開け、換気が必要でした。4人はそこへ入ります。

イヴリンは、男がかつてのリーの友人・エメットだと気づきます。エメットも家族持ちでしたが、初日に子ども2人を失っていました。妻と2人で自宅に潜んでいたのですが、妻が病気で痛みに苦しみ始めたため、11週前からこの廃工場に移動して暮らしていたと話します。エメットは、イヴリンの夫・リーが生前に生存者の合図で炎を焚いていたのを知っていましたが、無視していました。エメットが家族をなくし、絶望的な気分になっているのをイヴリンは会話して気づきます。

マーカスは父・リーの作業を引き継いで、毎日ラジオを聞きます。人がいなくなったのでラジオもノイズしか聞こえないのですが、それでもマーカスは生存者がいないかと確認していました。この時、ラジオから『ビヨンド・ザ・シー』という曲が流れてきて、マーカスは思わず足の痛みを忘れて飛び起きました。母のイヴリンと姉のリーガンに知らせます。

 

【転】

エメットに聞くと、4か月ほど前から繰り返し聞こえているとのことでした。生存者がいる証ですが、エメットは「何も信用できない」と言って、探しに行く気力もありません。

その夜、リーガンがマーカスを起こすと焼却炉に移動して、ある計画を話します。リーガンは、ラジオ局の目星をつけました。『ビヨンド・ザ・シー』…「海の向こう」…ニューヨークの沖合にある小さな島を示したリーガンは、そこへ出かけていこうとマーカスを誘います。島は誓ですし、線路を伝って移動すると1日かからないとリーガンは誘いますが、マーカスは危ないから反対します。それでもリーガンは諦めきれませんでした。

翌朝、マーカスが起きると「聞き続けていて」というメモを残し、リーガンは出発していました。マーカスは母・イヴリンに知らせます。イヴリンはエメットに、リーガンを迎えに行ってくれと泣き落としします。

リーガンはひとりで線路沿いに歩いています。スプリング・クリーク駅に着いています。

線路には列車が止まっていました。その中に入ったリーガンは、使えるものがないか調べます。救急箱を見つけて取ろうとすると、遺体が倒れかかってきました。その音を聞きつけて、エイリアンが奥からやってきます。ハウリングを起こしてショットガンで撃ちましたが、エイリアンは即死しませんでした。ピンチに陥ったリーガンは死を意識しますが、追ってきたエメットが銃撃してリーガンを助けます。

エメットは当初、リーガンに家族のもとへ引き返そうと説得しました。しかしリーガンの意思は強く、エメットはリーガンと一緒に港へ向かうことにします。

同じ頃、廃工場に残ったイヴリンは、マーカスに痛み止めが必要だと考えます。包帯も足りないですし、赤ん坊の酸素ボンベも残量が少ないので町の薬局に取りに行くと決めました。赤ん坊をマーカスに託し、イヴリンは町へ向かいます。

マーカスはマーカスで、赤ん坊をトランクに入れると工場内を物色しました。エメットが描いた家族の絵を見ます。静かに物色していたのですが、奥にエメットの妻の遺体が安置されているのを見て、驚いて物音を立ててしまいました。慌てて地下に戻りますが、エイリアンが音を聞きつけています。マーカスは焼却炉に逃げ込みましたが、その際に鍵がかかって内側から開けられなくなりました。焼却炉内に酸素が足りなくなります。赤ん坊の酸素マスクを借りますが、それも残量が少なくてマーカスは危機に陥ります。

そこへイヴリンが戻ってきました。イヴリンは工場にエイリアンがいると気づきます。ひきつけて酸素ボンベを撃ってエイリアンを倒そうとしたのですが、スプリンクラーが作動してしまい、爆発が小規模になりました。エイリアンは倒せずにいます。幸運だったのは、スプリンクラーの音でイヴリンの気配が分からなくなりました。イヴリンはこっそり地下へ移動すると、焼却炉に閉じ込められたマーカスを助けます。しかし、武器がない状態です。