映画 #55『フローズン』

 

『フローズン』(2010年・アメリカ)

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原題:Frozen

監督:アダム・グリーン

出演:ケヴィン・ゼガーズ
   ショーン・アシュモア
   エマ・ベル
   エド・アッカーマン
   ケイン・ホッダー
   ライリア・ヴァンダービルト

上映時間:1時間33分

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【あらすじ】

スキー場にやってきたダン、ジョー、パーカーの3人は、日暮れ前に最後の滑りを楽しもうとリフトに乗り込むが、山頂への途中でリフトが停止してしまう。大声で助けを呼ぶが届かず、地上15メートルの空中に置き去りにされてしまう。ゲレンデが営業を再開するのは1週間後。3人は食料不足とマイナス20度の極寒に耐え切れず、何とか脱出を試みるが……。

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スキー場のリフトの上に置き去りにされてしまった若者たちの、身も心も凍る恐怖を描くシチュエーション・スリラー。スキー場の営業再開は1週間後という最低最悪の状況で、登場人物たちを襲う寒さと飢え、孤立感をあぶり出す。実際にあり得そうなリアルなシチュエーションと痛々しい描写に、恐怖心をあおられる。

 

 

【起・承】
毎年の恒例行事としてスキー場に遊びに来たダンとジョーは、久しぶりに滑ることを楽しみにしていた。

だが、2人の恒例行事に恋人のパーカーを連れてきたダンに対してジョーは少し不満を抱いていた。

会員カードを持っていない3人は、リフトの係員に現金を渡して少額でリフトに乗ることに成功する。

一通り滑った3人は夕食を摂って再び滑りに行こうとするが、パーカーは男同士の時間を邪魔したくないと遠慮をする。気を遣うパーカーだったが、ダンとジョーに説得されて3人で滑りに行くことになる。

リフトに乗ろうとする3人は、営業は終了したと係員に止められてしまう。

最後にもう一度だけ滑らせて欲しいと懇願する3人の押しに負け、リフトに乗せる係員。そんな係員のもとに別の係員がやってきて、シフトの調整をしてくるように指示を出す。

交代する際に「あと3人が滑り終えていない」と伝えられた係員は、ダンたちよりも先にリフトに乗った別の3人組が滑り終えるのを確認し、全員が滑り終わったと勘違いをしてリフトを停止してしまう。

突然リフトが停止して驚くダンたち。彼らが乗っているリフトは、山の中腹あたりに位置していた。


 【結】
リフトが停止し、明かりが消えたスキー場。

最初は冗談を言い合う余裕があった3人だが、一向に動き出さないことに恐怖を覚え始める。

そして凍えるような寒さの中、余裕がなくなった3人は徐々に苛立ち始めて口論を始める。

そこへ、除雪作業車が通りかかる。持っているスキー道具を投げて助けを呼びかけるが、運転手は気付かずに去ってしまう。

次の営業日は一週間後。焦り始める3人。

凍傷になるパーカーを見たダンはついに、飛び降りる決断をする。必死に止める2人を説得して飛び降りるダン。だが、そのあまりの高さに両足は折れ、身動きが取れなくなってしまう。

そしてさらに、山に潜んでいたオオカミが現れる。オオカミに襲われたダンは絶命し、ジョーとパーカーの2人だけになる。

翌朝。ダンの行動を無駄にしないためにと、ジョーが動き出す。彼はリフトのケーブルを腕の力だけで伝い、なんとか支柱にたどり着く。そして、助けを呼ぶために山を下る。そんな彼をオオカミが追う。

ジョーが動いた衝撃でリフトが傾き、その重みでケーブルが少しずつ切れる。ゆっくりとリフトが落ちたおかげで、片足の軽いケガだけで降りることができたパーカー。山を下った彼女の目には、ジョーの死体に群がるオオカミたちが映っていた。

オオカミたちを刺激しないよう慎重にその場を逃れ、公道に出るパーカー。

偶然通りかかった車に保護され、病院に向かう彼女の目に生気はなかった。

 

 

ジャンル:スリラー

個人的満足度:☆☆☆★★