『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』(2019年・ドイツ、フランス)
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原題:Der Goldene Handschuh
監督:ファティ・アキン
出演:ヨナス・ダスラー
マルガレーテ・ティーゼル
カーチャ・シュトゥット
マルティナ・アイトナー=アチェンポン
ハーク・ボーム
ジーモン・ゲーツ
ジェシカ・コスマラ
バーバラ・クラベ
ヘルマ・クーン
マックス・ホップ
ティラ・クラトチウィル
ウーヴェ・ローデ
マルク・ホーゼマン
ラーズ・ナーゲル
ダーク・ベーリング
ヴィクトリア・トラウトマンスドルフ
アダム・ボウスドウコス
トリスタン・ゲーベル
グレタ・ゾフィー・シュミット
ユルゲン・ウーター
上映時間:1時間50分
【あらすじ】
第2次世界大戦前に生まれ、敗戦後のドイツで幼少期を過ごしたフリッツ・ホンカ。彼はハンブルクにある安アパートの屋根裏部屋に暮らし、夜になると寂しい男と女が集まるバー「ゴールデン・グローブ」に足繁く通い、カウンターで酒をあおっていた。フリッツがカウンターに座る女に声をかけても、鼻が曲がり、歯がボロボロな容姿のフリッツを相手にする女はいなかった。フリッツは誰の目から見ても無害そうに見える男だった。そんなフリッツだったが、彼が店で出会った娼婦を次々と家に招き入れ、「ある行為」に及んでいたことに、常連客の誰ひとりも気づいておらず……。
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『ソウル・キッチン』『女は二度決断する』のファティ・アキン監督が、1970年代のドイツ・ハンブルクに実在した5年間で4人の娼婦を殺害した連続殺人犯の日常を淡々と描いたサスペンス・ホラー。第二次世界大戦前に生まれ、敗戦後のドイツで幼少期を過ごし、貧しさと孤独の中で大人になった男が、70年から75年に渡って4人の娼婦を殺害しながら過ごす日常を映し出す。知性溢れる天才犯罪者でも、何かに取り憑かれた狂人でもない、「ごく普通の連続殺人鬼」という、かつて味わったことのない"すぐ隣にいるかもしれない恐怖"に誰もが戦慄する。2019年・第69回ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品作品。
原題の「Der Goldene Handschuh(英訳:The Golden Glove)」はホンカが娼婦を物色していたバーの名前「Zum Goldenen Handschuh(英訳:To The Golden Glove)」から来ており、その店はハンブルクに実在する。なお、この店は入り口に「ホンカの部屋」と書かれた看板をかけているが、実際にはホンカの部屋ではない。
1973年生まれのファティ・アキン監督はハンブルク出身で、子供の頃にいたずらをすると「気をつけないと、ホンカがやってくるぞ!」と言われていたほど、ホンカは当時のドイツで人々に強烈な印象を残したシリアルキラーだった。
ホンカ役のヨナス・ダスラー(1996年生)は当時のホンカ(1935年生)より10歳以上も若く、特殊メイクにより、ホンカの曲がった鼻、 特徴的な斜視、髪の生え際まで再現している。
ジャンル:スリラー
個人的満足度:☆☆☆☆☆