『不思議惑星キン・ザ・ザ』(1986年・ソ連)
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原題:Кин-дза-дза!
英題:Kin-dza-dza!
監督:ゲオルギー・ダネリヤ
出演:スタニスラフ・リュブシン
レヴァン・ガブリアゼ
エヴゲーニー・レオノフ
ユーリー・ヤコヴレフ ほか
上映時間:2時間15分
【あらすじ】
1980年代の冬のモスクワ。ある日、建築技師のマシコフは、街角で「あそこに自分は異星人だという男がいる」と困った様子の学生ゲデバンに助けを求められる。異星人など信じられないマシコフが、その男が持っていた空間移動装置のボタンを押すと、次の瞬間、マシコフとゲデバンは地球から遠く離れたキン・ザ・ザ星雲のプリュク星へとワープしていた。そこでは何故か地球のマッチが超貴重品で、2人はマッチの価値を利用してなんとか地球へ帰ろうとするのだが……。
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1986年、ソビエト連邦時代のジョージア(グルジア)で製作され、当時のソ連で大ヒットを記録した脱力系SFコメディ。自分は宇宙人と名乗る裸足の男が持っていた空間転移装置によって、キン・ザ・ザ星雲のキテレツな砂漠の星プリュクへとワープさせられてしまった建築技師と学生が、何とかして地球に戻ろうと悪戦苦闘するさまをのんびりと描いていく。アメリカなど資本主義国とはどこか感覚が異なる世界観の味わいに満ちた作品に仕上がっている。
ソ連全土で1570万人の驚異的な観客を動員。その後も世界中でカルト的人気を博し、日本でも上映された。また、監督自身の手になるアニメ版『クー! キン・ザ・ザ』が2013年に公開された。舞台が21世紀はじめに移され、登場人物にも一部変更がある(マシコフとゲデヴァンが、それぞれ世界的チェロ奏者のウラジーミル・チジョフとその甥でDJ志望のトーリクに変更)。
ちなみに、ゲデバン役のレヴァン・ガブリアゼは脚本を手がけたレヴァズ・ガブリアゼの息子であり、現在は彼も映画監督として活躍している。
ジャンル:SF
個人的満足度:☆★★★★