『外人部隊フォスター少佐の栄光』(1977年・イギリス)
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原題:March or Die
監督:ディック・リチャーズ
出演:ジーン・ハックマン
テレンス・ヒル
カトリーヌ・ドヌーヴ
マックス・フォン・シドー
イアン・ホルム
リラ・ケドロヴァ
ジャック・オハローラン
リュファス
マルセル・ボズフィ
ウォルター・ゴテル
アンドレ・ペンヴルン
上映時間:1時間44分
【あらすじ】
第一次世界大戦終結直後、ルーブル美術館とフランス政府が結託してモロッコの砂漠地帯エルフードの遺跡発掘を再開。それに憤るアラブ民族の反乱に対処すべく、フォスター少佐を隊長とする外人部隊が、発掘班警護の任に就くことになった。砂漠という悪条件での任務の下、厳格で時に非情なフォスター少佐に対し、元泥棒の兵士マルコは何かと反発する……。
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民族紛争の絶えないモロッコの砂漠を舞台に、フランス軍に組み込まれた外国人部隊の過酷な運命を描く一大叙事詩。忠実な時代考証と陰影のあるカメラワークで、絵空事ではない戦場の空気を巧みに再現した。主演は『フレンチ・コネクション』のジーン・ハックマン。
過去を捨てた男たち=外人部隊がたどる過酷な運命を叙情的に描いた戦争ドラマで、監督は『男の出発(たびだち)』『さらば、愛しき女よ』など1970年代の俊英として秀作を連打したディック・リチャーズ。発掘班に同行する紅一点カトリーヌ・ドヌーヴを含め、スタッフ&キャストともに一流どころが揃っている。主眼となるのは個性的な部隊の面々が織り成す集団劇の中での上官と部下の確執だが、名優ジーン・ハックマンはこうした頑迷な軍人の心理を繊細に演じるのが抜群にうまい。本作の最大の魅力はここにあるといっても過言ではないだろう。
ジャンル:戦争
個人的満足度:☆☆☆☆☆