『バーバー』(2001年・アメリカ)
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原題:The Man Who Wasn't There
監督:ジョエル・コーエン
出演:ビリー・ボブ・ソーントン
フランシス・マクドーマンド
マイケル・バダルコ
ジェームズ・ガンドルフィーニ
キャサリン・ボロウィッツ
ジョン・ポリト
トニー・シャルーブ
リチャード・ジェンキンス
スカーレット・ヨハンソン
クリストファー・マクドナルド
上映時間:1時間56分
【あらすじ】
1949年、カリフォルニアの片田舎サンタローザで床屋を営む無口な男エド・クレイン。平凡な毎日を送るエドだったが、ふとしたことから妻ドリスと彼女の上司デイヴの浮気を疑い始める。そんなある日、店に来た客の一人からドライクリーニングの商売を始めるために資金を出してくれる人を探している、との話を聞かされたエド。この話にすっかり乗り気になった彼は必要な資金を得るために、ドリスとの不倫をネタに相手のデイヴを恐喝することを思いつく。一時は思い通りに事が運んだかに見えたエドだったが、やがて事態は予想もしない方向へと転がり始めた……。
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『ファーゴ』のコーエン兄弟が、ふとしたことから人生の歯車を狂わせていく男の悲劇をモノクロ映像で描いた犯罪ドラマ。
フィルム・ノワールを思わせる白黒映画であるが、カラー用のフィルムで撮影したものを編集でモノクロに変換したものである。そのため劇場公開されたモノクロのバージョンとは別に、カラー版が存在する。フランスなどヨーロッパの一部の国では、DVD特典として幻のカラー版が付属された。
映画の構想は、コーエン兄弟が『未来は今』を撮影中に収集した1940年代の様々な髪型を掲載したポスターを見たときに浮かんだものであるとされる。また、その時代に活躍したアメリカのハードボイルド作家ジェームズ・M・ケインの犯罪小説(具体的には『殺人保険』や『郵便配達は二度ベルを鳴らす』)からの影響も指摘されている。
2001年10月31日に全米公開。北アメリカで約750万ドル、それ以外で約1140万ドルの興行収入を挙げた。
2001年度のカンヌ国際映画祭監督賞を受賞。主演のビリー・ボブ・ソーントンがナショナル・ボード・オブ・レビュー賞の主演男優賞、撮影監督のロジャー・ディーキンスが英国アカデミー賞撮影賞をそれぞれ受賞した。
ジャンル:クライム
個人的満足度:☆☆☆☆☆