『X エックス』(2022年・アメリカ)
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原題:X
監督:タイ・ウェスト
出演:ミア・ゴス
ジェナ・オルテガ
マーティン・ヘンダーソン
ブリタニー・スノウ
スコット・メスカディ
オーウェン・キャンベル
スティーヴン・ユーレ
ジェームズ・ゲイリン ほか
上映時間:1時間45分
【あらすじ】
1979年、テキサス。女優のマキシーンとそのマネージャーで敏腕プロデューサーのウェイン、ブロンド女優のボビー・リンとベトナム帰還兵で俳優のジャクソン、そして自主映画監督の学生RJと、その彼女で録音担当の学生ロレインの3組のカップルは、映画撮影のために借りた田舎の農場へ向かう。彼らが撮影する映画のタイトルは『農場の娘たち』。この映画でドル箱を狙う。6人の野心はむきだしだ。
そんな彼らを農場で待ち受けたのは、みすぼらしい老人のハワードだった。彼らを宿泊場所として提供した納屋へ案内する。一方、マキシーンは、母屋の窓ガラスからこちらを見つめるハワードの妻である老婆パールと目が合ってしまう。
そう、3組のカップルが踏み入れたのは、史上最高齢の殺人夫婦が棲む家だった……。
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史上最高齢の殺人鬼夫婦が住む屋敷に足を踏み入れてしまった3組のカップルの運命を描いたホラー。出演はリメイク版『サスペリア』のミア・ゴス、『ザ・ベビーシッター 〜キラークイーン〜』のジェナ・オルテガ、『ピッチ・パーフェクト』シリーズのブリタニー・スノウ。『サクラメント 死の楽園』のタイ・ウェストが監督・脚本を手がけた。
本作が全米で公開されると、ホラー界の重鎮スティーヴン・キングや、『ベイビー・ドライバー』『ラストナイト・イン・ソーホー』の監督エドガー・ライトが本作への熱い支持を表明。また、海外メディアからは絶賛評で迎えられ、映画批評サイトRotten Tomatoesでは96%フレッシュ(日本5/11時点)を獲得、「2022年最高評価のホラー映画」と評された。
『ヘレディタリー/継承』『ミッドサマー』のA24製作。3部作となることが発表されており、A24映画として初めてのシリーズ化として注目された本作。監督・脚本を務めたタイ・ウェストは、『The House of Devil』(09年・日本未公開)でハリウッドのインディーズシーンの寵児となり、ホラー映画界のカリスマであるイーライ・ロスからの信頼も厚い。本作には、ホラー、スリラー、スラッシャー・ムービーなどのジャンル映画、アメリカン・ニューシネマ、成人映画にいたるまで70年代、80年代のあらゆる映画へのオマージュが盛り込まれている。ジャンルという垣根を取り払い、若者の視点で、70年代のカルチャーをベースに描いたワイルドで心躍る物語が繰り広げられると同時に、人類が避けることができない、老いと死を強く意識させられる物語を作り上げた。
ジャンル:ホラー
個人的満足度:☆☆☆☆☆